【 169 】変化 ページ21
・
翔さんがAの中に入ってもう15時間が経つ。
……さすがにそろそろ離れないと体もたねぇぞ
「…翔さん」
軽く揺さぶってもやっぱり目は覚めない。
「にの。」
「相葉さん」
「にのも一回休憩しといで。俺も声かけ続けておくから。」
「…ん。潤くんは？」
「奥に行ってる。なんか時折みかちゃんの信号が反応するみたいで」
「潤くんそんな色々みかちゃんにつけてたの？」
「や、なんか詳しくは分からないけど」
「ふーん」
相葉さんに促されるままリビングへ一度降りる。
冷蔵庫を開くと今更気づいたみたいにお腹が鳴ってハッと乾いた笑いが出てきた。
用意されてたご飯をチンして食べ始めていると下からドタバタした足音が近づいてくる
「…？？」
「ねぇ！」
「潤くんどしたの、そんな血相変えて」
ガチャ
「どした？」
「なんか、みかちゃんの信号がいきなり動き始めてこっちに近づいてて！」
「はぁ？誤作動じゃなくて？」
「うん、違う」
「じゃあ帰ってくるってこと？」
「多分、そうなんだけど…速さがおかしいって言うか。空飛んでないとこのスピードとルートにならないって言うか」
「空？」
「ってかAと翔さんは？」
「まだ。でもさっきやっとAちゃんの体がピクッて動いたよ」
パソコンを持ってきていた潤くんは俺の隣に来てモニターを見せてくれる。
…確かに、道なき道を通ってすんげぇスピードだな。
「地下とか…ではないか、こんなここまでの経路にまっすぐ繋がってるところは流石にないだろうし」
「確かここヘリポートあったよね？」
「……え？この上に来んの？」
「分かんないけどありえない話じゃない」
「…じゃあ潤くんここに残って。最悪何かが占拠しに来た時に応戦できるから。相葉さんはそのままA達のこと見てて。俺ヘリポートの所で待機しとく。その感じだともうすぐって感じでしょ」
「たぶん」
「じゃあ潤くんもなんか食べて体力回復してて。冷蔵庫に色々入ってたよ。相葉さんさっさとその2人起こしてね」
そう言ってそのまま一度ロビーに降りて端のエレベーターに乗り込む。
「二宮さんどこ行くんですか？」
「あーー…亮、俺と一緒に来て。ケンティーはこのままロビーを見張ってて。なんかあったら上に潤くんがいるから伝えて」
「分かりました！」
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作者名：ハルvolleyball | 作成日時：2019年4月19日 8時
