悲願花が咲くころに 【鬼滅の刃】

青い彼岸花 ページ7

「急な召集ですまない。」
招集された柱たちの前に、子どもに手を引かれた産屋敷家当主が現れた。

柔らかく響く声に、柱たちは平伏して聞き入る。

「かねてから皆も知っている通り…無惨は陽光を克服するため、血眼で”青い彼岸花”を探している。」



「伝承によれば−…”青を身に纏いし者、月光の下に咲き誇る”。」

当主は、視力の落ちた目で空を仰いだ。



「平安の世の頃、無惨には心に決めた、花雅という女性が居たそうだ。」

「”青い彼岸花”とは、この花雅の子孫なのではないか…と私は考えている。」





「夏至、新月、日食が重なった時、月の威力が最も増す。開花するとしたら…この上ないタイミングだ。」

産屋敷は言葉を切って、控える柱たちを見渡した。

「”青い彼岸花”は、絶対に無惨に渡してはならない。」



[[[[[[[ 御意 ]]]]]]]]




………………………



柱合会議終了後。



「花雅ちゃんかー。鬼の総大将も、所詮は人間だったってことか。あの無惨を虜にしたっつーと…なんかそそられるな。」
腕を頭の後ろに組んでニヤリと笑う、祭りの神。

「うむ！きっと絶世の美女に違いない！」
意気込む炎柱。

「”青い彼岸花”が人間だとしたら興味がありますね。研究者として。」
蝶飾りを揺らし、考え込むしのぶ。


「叶わなかった恋のロマンス！ロマンチックねー…私にもいつか想い合える殿方が…。」
「……(甘露寺は今日も可愛い)」
両手を組んでうっとりするピンクと黄緑の髪の乙女と、それを見守る蛇柱。


「ふーん…まぁ僕はすぐ忘れちゃうだろうけど。」
ボーっとする最年少柱。

「呪われた血の子ども…嘆かわしや…南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…。」
泣く岩柱。



「冨岡、うるせェ。」

「まだ何も言ってないぞ…さ…実弥(照)。」

「名前で呼ぶんじゃねぇクソが！(怒)」







…………




無限城。

「無惨様、上弦の壱様がお越しです。」
鳴女がべべん！と琵琶を鳴らす。

机に向かっていた無惨は振り向いた。
「黒死牟。 そろそろ”約束の日”だ。……絶対にAから目を離すな。」

「………御意。」








「A」

『あれ？黒死牟だー。どうしたの急に？』
ベッドに寝転んで夜風に当たっていたら、音もなく6つ目の男が立っていた。

『変態だよ？ 夜中に乙女の部屋に忍び込むなんて。』
わたしは笑いながら身を起こし、隣をぽん、と叩いた。
少し距離を取って座った黒死牟に『それで？』と尋ねた。

「…お前に話がある。」

癒せぬ悲しみ→←必要と、されたい。

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