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柱合会議 −不思議な声の青年− ページ17

『と、殿方…?』
黒死牟は殿方と言えば殿方かもしれないけど。


困惑するAに「誰ですか!」「どんな方!?」とキャッキャウフフと詰め寄る3人。
ちがう、そうでしょうと攻防していると「楽しそうですね」と鈴のような声がした。


「「「しのぶ様!」」」
3人は嬉しそうに声の主に駆け寄る。
しのぶは「Aさんを困らせてはいけませんよ。」と諭した後、Aを振り向いた。

「お連れしたいところがあります。」そう言ってしのぶは微笑んだ。



…………………………





しのぶの後について歩く。

まるで舞うように歩く人だ。
優美で軽くて、蝶がひらひらと飛び回るような足取りに気づくと見入ってしまう。






「着きました。」
鈴のような声に、Aは顔を上げる。
目の前には、厳めしい門構えの屋敷がそびえていた。

歩きながら周囲を見回す。
大きなお屋敷だ。無限城より広いかもしれない。
広くて静かで、神聖な空気の空間。



「お館様、お連れしました。」
1つの部屋の前で立ち止まり、中に声を掛けるしのぶ。
す…と襖を開く。


「待っていたよ。」
中にいたのは中世的な容姿をした、小柄な青年だった。






………………………







「では、私は後程。」
Aを案内したしのぶは、そう言って退出した。

青年は「しのぶ、ありがとう。」と労った後、「A、初めまして。」と微笑んだ。


病気なのだろうか。
布団に臥せって上半身だけ起こした姿勢でこちらを見ている青年。
顔色は良いとは言えず、陽光の中でもその姿は頼りない。




しかしその声だけは、確固たる意志を持って響く。




不思議な声。
聞き心地が良くて、優しくて、直接心に響いてくるようだ。
心の中の迷いや葛藤まで、全てくるみこまれるような。
呼ばれた自分の名前がこの世で最も価値のあるもののようにすら、思えてくる。


Aは、これまで誰にも感じたことのない感覚に戸惑っていた。
この人は一体誰なんだろう。



「何がなんだかわからない、という顔だね。…無理もない。」
青年はそう言ってAを手招きした。


「私の名は産屋敷輝哉だ。」


「A、きみには私の知っていることを全て話そう。きみは私達人間にとって、救世主となるかもしれないのだからね。」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 黒死牟 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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ねう。(プロフ) - 3年前に読んでハマって、昔のスマホに記録を残していて…3年ぶりに電源を入れて、見つけて即飛んできました…やっぱりこのお話すっごく好きです(泣) (5月27日 21時) (レス) @page26 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - るりもちさん» ありがとうございます。ちょっと忙しくて更新が停滞気味ですが、励みになります! (2020年8月16日 21時) (レス) id: caa70b2ac7 (このIDを非表示/違反報告)
るりもち(プロフ) - タイトルにセンスを感じました…!(おい) 更新頑張って下さい! (2020年8月16日 18時) (レス) id: 4d1d493798 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - まるこさん» あ、そうなんですね。分かりました。失礼しました。 (2020年8月4日 19時) (レス) id: 47d2d41a3d (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます。タイトルはわざと当て字にしています。紛らわしくてごめんなさい。宜しければまたお立ち寄りください。 (2020年8月4日 18時) (レス) id: d44de4af2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるこ | 作成日時:2020年7月29日 13時

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