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学校の帰りにアルバイト先へ向かう。


私たちは高校2年生になっていた。

「おはようございます。」


瑞「あ、おはよう。


学校帰り?てか敬語?」


「瑞稀か!
店長かと思ったの。」

瑞稀はくすっと笑って、手元の本に視線を戻す。


私がアルバイトするこの本屋は小さいけれど、

沢山の本を扱っていて近くに幼稚園や保育園があるから児童書が多い。


本屋で働き始めたのには理由がある。


小さい頃、寝る前に龍ちゃんと一緒にお母さんに呼んでもらったあの絵本。



雨が降ると願いが叶うと言われている街に、

亡くなった母親を探しに行く主人公。


結局、彼が母親に会えたのか覚えてない。

でも、雨が降ってキラキラした街の絵が好きだった。


街を濡らした絵が妙に綺麗でずっと眺めていられた。


絵本のタイトルも作者も分からないけど、

表紙を見たら分かると思う。

お母さんとの思い出は燃えてしまったから、
ずっと探している。



瑞「今日新しい絵本入荷するよ。

品出しする?」


「うん!ありがとう。」


私たちが子供の頃の絵本だから、新作ではないけれど瑞稀は必ず新しい絵本が入荷すると私に仕事を回してくれた。

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作者名:榛遥 | 作成日時:2021年12月22日 0時

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