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あの日私を助けてくれた優斗

絵本を探す目的で始めた
アルバイト先で出会った瑞稀


私は運命に振り回されているのかもしれないけど、

周りの人には本当に恵まれている。



洗練された建物で、名前の分からない沢山の機械がある。
この辺りで1番の信頼を得ているのもなんだか納得だ。


中学生の頃からお世話になっている高橋総合病院。


優「名前?


薬もらって終わりだって。いくぞ」

診療はとっくに終わって優斗が私の肩を叩く。



龍ちゃんが居なくなったショックで私の治りかけていた心はまた壊れたようだ。


優斗に手を引かれ今度は待合室に向かう。


優「寒くない?」


「うん。

優斗、これから授業でしょ?

私一人で帰れるから大丈夫だよ。」


優「そうだけど、、、


瑞稀くん呼ぶ?」


「きっと無理してもきてくれるから呼ばなくていい。」


優「分かった。気をつけて帰れよ。」


「うん。

今日スーパー寄って帰る。肉じゃが作ろうかな。

食べに来て!」


優「おう。

楽しみにしてる。」


優斗へのささやかだけどお礼だ。

私の頭を撫でると立ち上がる。



平日の真昼間に付き合わせて申し訳ない。

会計をしようと、

名前を呼ばれて立ち上がるとお兄ちゃんに似た人を見た。


幻覚を見るなんて私もとうとう末期かもしれない。






夕方頃になっても優斗は来なかった。


肉じゃがにだし巻き卵、昆布と大葉のおにぎりに、豚汁。

我ながら完璧な和食を作ったのに。


瑞「名前ー?

先食べちゃわない?」


「そうだねぇ。」


スマホを伏せて私も席につく。

瑞稀ははっきり美味しいとは言ってくれないけど、

すっごい勢いで食べるからきっとなかなかイケるんだといい方向に解釈している。


おにぎりお代わりするかなぁ。

瑞「名前今日病院いったの?」

もう7割型食べたところで瑞稀が口を開く。


「うん。優斗が付き添ってくれて。

薬は一旦そのままになっちゃったけど、

自分で気持ちをコントロール出来るようになってきてるから回復には向かってるって。」


瑞「そっか。よかった。


でも、まぁそんなに焦らずにね。」



「ありがとう、瑞稀」

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作者名:榛遥 | 作成日時:2021年12月22日 0時

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