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Mizuki said



ベッドで眠る名前の髪を撫でる。


結局、俺が口うるさく言って薬を飲ませて寝かせた。

名前の薬は心を安定させ、彼女を守ってくれるけれど、

眠気や時々頭痛など副作用もあってそれに悩むことも知っている。


医療的なことは分からないけど、優斗に頼んで病院に連れて行こう。


少し散らかった部屋を片付けながら、

写真を眺める。


高校時代、俺は学校が違ったけれど、

バイト先で知り合った名前と兄の作ちゃん、優斗とあっという間に仲良くなった。

いや、3人が俺をすんなりと受け入れてくれた。



自分の学校も嫌いではなかったけれど、一応進学校だったから

テスト前など他人を蹴落とすような殺伐とした雰囲気が苦手だった。

この大学を志望したのも当たり前に3人がいるからだった。


もう少しレベルを上げるように何度も勧められたが、断った。


作ちゃんは、名前の兄だと紹介されたけど、

俺はもっと作ちゃんが特別な感情を抱いていることがわかった。



でも、彼らは、、、



「瑞稀?」


瑞「!?

ごめん、起こした??」


「ううん。

ちょっと夢みちゃって。」


瑞「大丈夫?」


冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきて、
名前に手渡す。


大丈夫だよ、っと笑って見せるが

華奢な肩は震えていた。


優斗が置いて行ったであろうパーカーを名前にかけ、背中をさする。


泣くこともせず、ひたすら過去の暗闇と戦う彼女をどうか救ってあげたいと思った。

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作者名:榛遥 | 作成日時:2021年12月22日 0時

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