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東京は、たしかに高校1年生まで住んでいたはずなのに、
なんだか落ち着かなかった。
湧が働く会社の住所はなぜか、尚大が知っていた。
会いたくなかった。会うのが怖かった。
湧がいる場所へ近づくにつれ、足が重くなる私の
手を尚大が引く。
何度も大丈夫だから、と言って。
湧の会社は、オフィス街にあった。
スーツを着て、颯爽と先を急ぐ人々はなんだか怖かった。
ロビーに入り、受付の人に名前を言う。
ごめんなさい、元木は今、席を外しておりまして、、
織「何時ごろ戻りますか？待ちます。」
尚大の勢いに、受付のお姉さんが困惑している。
「尚大、無理言ったら申し訳ないよ。
帰ろう。」
織「だめ。
湧は名前に話してないことがまだたくさんある。」
「話していないこと、、？」
「尚大、、、？
名前、、、、？」
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作者名：榛遥 | 作成日時：2021年11月13日 21時
