紅一点のモーニングルーティーン ページ25
朝、部屋に鳴り響くアラームを手探りで探し出し、睡眠を邪魔されたちょっとの恨みを込めながら軽快な音を止める。
『 よし、4時間も寝れた。』
デビューして数年、寝れる時に寝るという生活を繰り返したおかげか、今では立派なショートスリーパーだ。昔はどれだけ寝ても寝足りなかったというのに、この世界に慣れてきたなと感じる。
短時間の睡眠でいいとは言え、眠いものは眠い。目を擦りながら支度を済ませリビングに行くと、安定に人はいない。いつも私が1番なのだ。
冷蔵庫から水を取り出し口に含むと、次第に頭も起きてくる。動こう、朝ご飯作ろう。
『 今日は皆一緒だから全員分か... 』
置いてあったジニオッパのエプロンを拝借して、朝ご飯の献立を考える。朝早くて食べないメンバーも居るだろうから、キンパにしよう。それなら移動中や現場でも食べられる。
決まってしまえば後は早い。慣れた手付きで8人分のキンパを作り、コーヒーメーカーをセットする。
自分の分のコーヒーを淹れて飲んでいると、起こしに行く必要がない、通称・手のかからない組が起きて来る。
JN HS NM「「「 おはよう〜... 」」」
『 おはよう。皆眠そうだね 』
揃いも揃って目が開いていない。頭が動き始めるまで各々過ごすので、淹れたてのコーヒーを届けに行く。
『 はい、ジニオッパ。』
JN「 おーA、ありがとう 」
『 ホソギオッパ、コーヒーだよ。』
HS「 Aありがとー。これがないと頭動かないんだよ〜 」
『 はい、ナムジュニオッパ。溢さないように気をつけてね。』
NM「 お、A。いつもありがとう。」
毎朝皆にコーヒーを淹れるのは私の仕事だ。誰かに頼まれた訳じゃないけど、皆喜んでくれるから欠かさずに淹れている。
『 どういたしまして。朝ご飯にキンパしたから、食べれるようなら食べてね。次行ってきまーす。 』
JN「 悪いね、Aじゃないとダメなんだよ〜 」
コーヒーの他に、宿舎での私の仕事がもう1つ。自力で起きてこない、通称・手のかかる組を起こしに行く事。
この仕事をいかに短時間で終わらせるかによって、この日の私のコンディションが変わってくると言っても過言ではない。
まずは一通り各自の部屋をノックして声をかける。正直これで起きてくれば苦労しない。
後はもう、部屋に入って叩き起こすのみ。最初は部屋に入るのも躊躇っていたけど、今はもうお構いなし。嫌なら起きてこいっつんだ。
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作者名:eve | 作成日時:2022年12月6日 19時