隣部屋の年下男子【佐々木大光】 (ページ8)

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ご飯を食べ終え、温かいほうじ茶を入れた。

「佐々木さんは学生？」

佐々木「あっ……いえ、高校卒業して社会人？です」

…なんで疑問形なんだろ

佐々木「浦川さんは？」

「私は在宅でWebデザイナーをやってます、あと緩くイラストレーターをしたり…」

佐々木「デザイナー！イラストレーター！かっこいいですね？！」

「ありがとうございます、でもずっと家なのでたまに気が滅入ります…佐々木さんのお仕事は？」

佐々木「あーーーーえっと、俺はダンスやってて、うーん、バックダンサー的な感じです」

「えっ？！すごくないですか？！素敵なお仕事ですね」

あいにく私はアイドルや歌手など全く詳しくないので、聞いても分からないと思い、なんのバックについてるとかは聞かなかったけど

すごいお仕事だな……

だから脚長いんだ

と納得した。

佐々木さんがふと、リビングの端にあるMacやペンタブの机に目をやると

佐々木「もしかしてあそこが仕事場ですか？」

「そうです、あそこに永遠に座ってます」

佐々木さんがクスッと笑うと、立ち上がって机を覗いた。

机には描きかけのウェルカムボードの似顔絵が途中で放置されている。

佐々木「えっこれ浦川さんが描いたんですか？」

「そうです、友人が来月結婚式みたいで描いて欲しいって言われてて」

佐々木「すご…！うま…………うちのメンバー、あ、一緒のダンスグループに1人絵が趣味のやついるんですけど、グロい絵とかよく分からない怖い絵描いてるんで…」

「逆にそういう絵、すごく見てみたいです」

思わず笑いながらどんな絵なのか想像した。

ダンサーにも絵が趣味の人いるんだ。

佐々木さんのような男の人に絵に興味を持ってもらえるのは嬉しいなー

「あの、今似顔絵練習中でして…もし良ければ今度佐々木さんの似顔絵も描いていいですか…？」

佐々木「えっいいんですか？！めちゃくちゃ嬉しいです…！！！是非！」

「よかったー、資料に1枚だけお写真失礼してもいいですか？あ、悪用はしませんので…」

佐々木「悪用…」

佐々木さんはニヤニヤと笑ってる。

佐々木さんのニヤニヤ顔、なかなか面白くてつい笑ってしまう。

いいですよーと言いながらピースしてくれた佐々木さんの写真を1枚撮った。