隣部屋の年下男子【佐々木大光】

5 ページ5

先日はお隣さんが鍵を忘れ、初めて会って話すというプチ進展があったが


フリーランスの在宅ワークの日々は、毎日同じような時間が流れる。





同じ時間に起きて、1人で仕事して、1人でご飯作って食べて…


友達はバリバリ働いているか家庭を持ってるかで、なかなか予定も合わず。







気付けばゴールデンウィークになっていた。



ゴールデンウィークと言っても、似たような毎日を送る私にとっては特に何も変わらない。




連休中に仕事の連絡はないので、来月結婚式を挙げる友達のウェルカムボードのイラストをのんびり描いていた。





流石の退屈さにしびれを切らし、スーパーへ買い物に行く。



ゴールデンウィークだからか15時という微妙な時間だというのに結構混んでいた。







お肉コーナーを見ていると、焼肉セットなど普段見ないようなラインナップになっていた。



みんな家族とか友達とかとBBQするよなーゴールデンウィークは。




悲しくなってきたので私も1人焼肉をしよう！と思い

奮発して良い肉をカゴに入れた。



牛タンにネギ巻いて食べたいな

キムチとサンチュも買おう



最近自分にお金使ってないし、今日くらい自分を慰めよ。



お酒も、少し高い焼肉のタレもカゴに入れた。




そういえば食器洗剤がなかったなと、歩いていると

黒いキャップを深めに被り、黒マスクをしている背の高い男の人が洗剤コーナーでウロウロしていた。




なんかこの人見たことあるぞ…誰だっけ…誰だっけ……………………………………






「佐々木さん…？」



思いついてすぐ口に出してしまった。


やべ、と思い彼を見ると顔を上げ



佐々木「あ、お隣さん…？
こんにちは！あ、先日はどうもありがとうございました…」



と深々お辞儀をされた。



佐々木さん、黒いキャップ深めに被るのがデフォルトなのかな

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す