六龍【ars】 (ページ4)

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【 4 】建物内、案内2 ページ4

「ここ…職場？？設備が整いすぎてる…」

斗「でしょでしょ？」

「射撃場や道場まであるなんて…」

斗「ふふー、凄いところでしょう？」

「はい…日本かどうか怪しくなってくるぐらい…」

斗「日本が恋しくなってきたらC棟1階にある和室に行けば大丈夫ですよ」

恋しいって…一応日本なんだけどもね？

「まぁ、その辺りはまた後で探検しときます」

斗「探検？ふふ…(すごい真顔なのに何故かワクワクしてるのが伝わってくる…笑)。じゃあ、そろそろAさんの部屋へ行きましょうか」

「はい。さっき上がらなかったC棟の2階ですか？」

斗「ええ、そうです。ほら、行きましょう？」

さっき通った所をもう一度戻る…と、B棟にさっきはいなかった品の良さそうなお爺さんがカウンターに座って本を読んでた

斗「あっ、羽馬さん～！さっきまでどこ行ってたんですか？」

羽「いやぁ、この本を探しに5階へ上がってまして。…そちらの綺麗なお嬢さんは？」

お、お嬢さんなんて年齢じゃないんだけどもなぁ…(29歳)

斗「こちらはAAさん。六龍の内の1人なので、よろしくお願いします」

羽「へぇ…あなたが。私羽馬と申します。何かお探しの本があればいつでもお声掛けくださいね？」

「はい。ありがとうございます…よろしくお願いします」

礼をして顔を上げると優しく微笑んでる羽馬さん。なんか…落ち着く雰囲気の人だなぁ、喫茶店のマスター？みたいな。

不思議な人

そして、また真っ暗な空間に入ると

斗「ここ、入る時は最初にした様に指紋認証ですが出る時は網膜認証になっています。急いでいてもしっかりやって下さいね？そうでないと、死ぬんで」

なーに爽やかスマイルで怖い事言ってんだこの人…

網膜認証をして出て。
先に出た生田さんに続いて大きな階段に向かう途中、ふと目に留まった右側のガラスの向こうに広がる和風な庭と池……と、その縁側に座って空を見上げている綺麗な人。

「っ、」

たぶん、時間にすれば0.5秒くらいのほんの一瞬。その人がふいっとこちらを見て…目が合って、フワッと花が咲いたように微笑まれた

斗「Aさん？」

「っ！はい？」

斗「こっちですよ？早く早く」

「あぁ、はい。すみません」

もう何段か上がっていた生田さんを、見上げた後もう一度目をやるともうさっきの人はいなかった。

……綺麗な人だったなぁ