13輪目 ページ13
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「A、日本じゃなくてもここで仕事探せばいいじゃない」
「私は日本で仕事したいの、輝気も心配だし」
そう言うと辛そうに口を閉ざす母。
「お母さん、正直言うとやっぱり私がそばに居ちゃ駄目だと思うの。私は輝気のそばに居た方がずっといいと思うの。もう、これ以上___」
言葉を遮るように母は私を抱きしめる。
「わかったわ…確かに私達じゃ貴方を護れない…護られてばかり…」
「お母さん…」
「私も探してみるわ、貴女が安心して働ける職場」
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あれから1ヶ月か。
1ヶ月の間で色々あったなぁ。
今までの出来事を振り返りながら歩く。
1番の出来事はやっぱり島崎さんかな。
仕事帰りに他人の家のベランダに立つって…。
そんな事を考えていると不意に声をかけられる。
「おぉーAじゃねぇか」
「あ、霊幻さん」
「よぉ、なんだ？デートか？お前そんな趣味あったんだな」
「殴られたいんですか？今ならもれなく弟の輝気からも1発頂けますよ」
すみませんでしたと上半身を90度に曲げ頭を下げる霊幻。
「じゃあお詫びに荷物持ちになってください」
「えっ」
「持ってくださるんですか？ありがとうございます、さぁ行きましょう」
そう言って無理やり霊幻の手を取り歩き出す。
「人の話聞けよな、お前」
「先に聞かなかったのはそっちでしょう」
ちょっとした言い合いをしながら逃げないよう手を繋いで歩く。
すると空いている方の手に誰かの手が触れる。
触れた方の手を見ると輝気がそっぽを向きながら手を繋ごうとしていた。
え、可愛過ぎない？
え、お姉ちゃん尊死しちゃう。
なかなか繋いでこない輝気の手を取るとビクッと身体が跳ねる。
ニコッと笑うと顔を赤くさせそっぽを向かれた。
可愛いなぁ。
「さぁて、張り切って参りましょーう」
「買い物でそんな張り切んなよ」
「いいじゃないですか」
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作者名：春悲 | 作成日時：2019年4月30日 17時
