4輪目 ページ4
「輝気!折り畳みちゃんと持って行きなさい!」
玄関前で折り畳みを片手に金髪のイケメンボーイに叫ぶ。
「あ、ごめん!投げて!」
「はぁ?!投げなくても自分で取って…よっ!」
文句を言いながらも輝気に折り畳みを投げる。
それを輝気は上手いことキャッチした。
「ありがとう!行ってきます!」
足を止めずに礼を言い出かける輝気。
「全く、なんでモブくんが絡むとあんなに元気なんだか」
輝気が見えなくなるまで見届け家に入ろうとした時。
「なるほど、普段の貴女はこんな感じなんですね」
「あ、この前の」
声がした方を見ると先程まで居なかったはずの人物の姿があった。
「この前はありがとうございました。傘、お返ししに来ました」
「いえ、お恥ずかしいところをお見せしてすみません」
照れながら差し出された傘を受け取る。
「そんなそんな、貴女なら良いお母さんになりますよ」
「何故お母さん…。それにしてもよく分かりましたね。私がここに居るの」
「まぁ、ちょっと」
にこやかな表情を崩さず曖昧に応える彼。
「あれですか?"瞬間移動”ってやつですか?」
その言葉で彼の表情が一瞬変わった。
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作者名:春悲 | 作成日時:2019年4月30日 17時