5話 ページ6
｢私と相澤が？そんなの槍が振らない限りないね｣
｢えーつまんねぇ、ほんとかよ〜？｣
｢本当だよ、微塵もそういう気は無い。数十年の仲だが、そういう雰囲気にすらなったことも無いよ。｣
そういうと上鳴は私の隣に腰かけて、口先をとんがらせ、わざとらしくつまらなそうにしてみせる。先程からずっとこの話ばかりだ。恋人はいるかだの相澤とは恋人同士かだの、この年頃の男の子は揃いも揃って皆こうなのだろうか。
ーーいっその事恋人がいる(相澤ではない)と嘘をついたほうがよかったか？
そんなことを考えていると、じりじりと右側から強い視線。
｢……お前ら何してる。｣
｢あっ先生！｣
｢遅かったな
私が茶化してそう呼ぶと、視線の発生源である相澤は心底面倒くさそうな顔をした。
彼の右手にしっかりと鍵が握られているところを見るに、管理室からようやく借りて来られたらしい。
｢先生も水臭いじゃないッスか〜！先生の同級生来るなら俺らに紹介してくれてもいいのに｣
｢明日にでも紹介するつもりだったよこっちは。いいから学生は早く部屋に戻れ｣
しっしと手を払って、相澤は彼らを部屋に戻るように言った。渋々と言った感じで部屋に戻る3人に手を振りながらその後ろ姿を見送っていると、相澤はそのうちの1人を呼び止める。
｢待て緑谷｣
｢えっ？僕ですか…？｣
戸惑う緑谷にお前以外に誰がいるんだとでも言わんばかりの目線を向けて、相澤は鍵を緑谷に手渡す。
｢取り敢えずAを部屋まで案内してやれ、荷解き終わったらAと緑谷は一緒に寮の玄関先で待ってろ。｣
相澤はさらに｢ここで何日か過ごしてもらう予定だから、色々説明してやってくれ｣と付け足して、緑谷と私の返事も待たずにサッと踵を返し、足早に寮を後にしてしまった。すぐに見えなくなった相澤に、2人は何も理解できないまま取り残される。
｢相澤先生、なにかあったのかな…｣
緑谷が顎に手をあてながら長考に入りそうな雰囲気をだしていたので、緑谷の肩に手を置いてそれを止めた。
｢さぁな、私にもさっぱりだよ。……さて、私は言われた通り、部屋の整頓でもしようかな。
すまない緑谷、部屋までの案内頼んだよ。｣
｢あっはい！｣
緑谷に寮内の案内を頼み、一生懸命にそれに答える緑谷の背中を見ながら、私はただただ悶々と相澤に対する疑問を並べていた。
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なっつ(プロフ) - このお話めちゃくちゃほっこりして大好きです！！更新楽しみです！ (2021年8月23日 14時) (
レス) id: 7aeb4072e1 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - エリちゃんと相澤先生大好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます！！ (2021年8月23日 8時) (レス) id: e6ef6aa37c (このIDを非表示/違反報告)
海月 - 続き待ってます!! 楽しみに読んでます 応援してます (2021年8月14日 10時) (レス) id: 715b9b383e (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - めっちゃ好きです（*｀・ω・*） (2021年8月13日 21時) (レス) id: 7bc3a22003 (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 続き…続きはどこに?めっちゃ面白かったです!!応援しています!! (2021年8月12日 10時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年7月29日 2時
