2話 ページ3
｢お疲れさん、ようこそ雄英へ。｣
｢君は頭がおかしい｣
久しぶりの再開。
顔を合わせてものの数秒で交わした会話がこれだった。
目の前にそびえ立つ母校の門前で、優雅に腕を組んで立つ男｢相澤消太｣は私の同級生であり、ここ雄英の教師、そしてプロヒーローをしている。
相変わらずのぼさっとした髪に、夏場だと言うのに暑苦しい長袖を着ていた。それも含めこの間の電話内容と合わせて、私はそう彼に挨拶したのだ。
｢酷いもんだな、こちとらお前がくるまでずっとここで立ってたんだぞ。｣
｢知るか｣
そう冷たく言い放って、私は持っていたキャリーケースから手を離す。
あの電話の後、メールで『5日間分の衣服を持ってこい』と淡白な文が送られてきて、横浜からわざわざ持ってきたのだ。勿論、メールは送られて来るだけで返事などは一切なかった。
｢ついてこい、合わせたい子がいる。｣
｢合わせたい子？生徒か、君の｣
｢……後で説明する。荷物は一旦寮に預けるぞ。｣
そう言って相澤は私のキャリーケースを持って、スタスタと校門をくぐって行った。さり気なく荷物を運んでくれる優しさにキュンとしたいが、今までの彼の言動が邪魔をしてそれどころではない。
彼が説明は後、ということは訳ありな話に間違いなさそうだ。ああ見えて合理的な男だ、何かがあるとは思っていたが、どうも今回の話しは普通の相談ではなさそうだった。
｢おいどうした、早くついてこい。｣
｢…ああ今行くよ。｣
いつの間にか少し距離が離れていた相澤に怪訝そうな表情で声をかけられたので、急いで後を追った。
寮に着くまでに私達との間に会話は特になく、声を聞いたかと思えば時折すれ違う生徒たちの挨拶に返事をするくらいだった。
ーー卒業式以来の雄英高校、それからはただの1度も訪れたことは無い。
特別嫌な思い出がある訳ではないが、ヒーローになってからは時間に追われて、いままで雄英に顔を出すことなど考えもしなかった。
｢ついたぞ｣
物思いに老けていると相澤の声がかかったため、考えることを中断した。気がつくともう既に、寮は目の前にあった。大きな館内は本当に広々としていて、初日は迷ってしまうだろうなと、少し心配になる。
部屋の鍵を取りに管理室にいくという相澤に、ありがとうと伝えて私はそばにあるソファに腰かけた。普段は生徒たちの憩いの場として使われているのだろう。
机の上には読んだであろう雑誌が、何冊かお菓子などと一緒に置かれていた。
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なっつ(プロフ) - このお話めちゃくちゃほっこりして大好きです！！更新楽しみです！ (2021年8月23日 14時) (
レス) id: 7aeb4072e1 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - エリちゃんと相澤先生大好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます！！ (2021年8月23日 8時) (レス) id: e6ef6aa37c (このIDを非表示/違反報告)
海月 - 続き待ってます!! 楽しみに読んでます 応援してます (2021年8月14日 10時) (レス) id: 715b9b383e (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - めっちゃ好きです（*｀・ω・*） (2021年8月13日 21時) (レス) id: 7bc3a22003 (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 続き…続きはどこに?めっちゃ面白かったです!!応援しています!! (2021年8月12日 10時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年7月29日 2時
