Don't need to … 3

115 涼太side ページ29

3月19日 22時58分




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「＿＿ただいま。」





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そう言って部屋に入れば、

しん、として静かな部屋。





最近は家に帰ったらずっとAがいて

ご飯を作ってくれたから

久しぶりに感じる一人暮らし感になんとも言えない喪失感を覚える。









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テーブルに置いたハイボールを

流し込んで。




俺もいつのまにかアルコール強くなったなぁ。と思う。

経験も、少しずつ積んできて

二十代にも。もう、慣れてきた。









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A.P.Cのグレーコートのポケットから

携帯を出して

23時前だというのに何の確認もせず連絡する。




「…Aさん？」









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＿＿もはや俺は確信犯。









「もしもしって言わなかったね、」




彼女にそう言って欲しくて。









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「…A。寂しかった？」


「ううん、」


「嘘つき。」


「…うん。本当は会いたくてたまんなかった。」









彼女も確信犯なんだろうか。






「最近ね、毎日のように涼太の家にいたから

贅沢になっちゃったのかも。」





ほら、またそんなこと言う。








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「…ほんとさぁ、ストレートばっかりじゃなくて

カーブも投げてよ。」



「…？」







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俺達は、不安になって

安心して、笑って、そしてまた、泣きそうになる。



本当に忙しい。








そして今年も桜が、咲く。

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