31 涼太side ページ33
あれから数週間、
彼女と会うことは一度もなかった。
3月4日 18時02分
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「涼太、最近あのケーキ屋の近くの道通った?」
「うん、バカみたいに帰りにいっつも行ってる。」
「一途だねぇ。」
ついさっきの亜嵐君との会話を思い出す。
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風は相変わらず強く吹いていた。
けれど、身体に当たるやわらかさに少し春を感じるようになった。
__君が言っていた春一番、ついこの前吹いたよ。
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今日も俺は
「明日は会えますように」
と、願掛けにあの川沿いの道を歩く。
なのに頭に浮かんだのは
「もしかしたら、もう一生会えないかもしれないじゃん。」
と言うあの日の玲於のセリフ。
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だから、気分は最悪だった。
「だった」
はず、なのに。
カッカッカッ…
聞こえたのは、あの音。
振り返って少し目線を上げると足元には、レモンシフォン。
「片寄さん。」
そして彼女は手に
玲於に騙されたはずだった
あの、「もうひとつのレモンシフォン」を持っていた。
「お久しぶり、です」
そう言って笑う彼女がここを歩いているのは
偶然でも何でもない完全な策士だったことを
俺が知るのはあと数日、先の話。
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Haru(プロフ) - み ん ふ ぁさん» せっかくコメント頂いてたのに気づけてなくてごめんなさい!!!話し方は結構書くのが難しいので…褒めていただけて嬉しいです。そう言っていただけると、書き手も楽しみながらかけそうです!本当にありがとうございます。他作品でもお会い出来ることを楽しみにしてます! (2016年12月21日 22時) (レス) id: dd64a4a9ad (このIDを非表示/違反報告)
み ん ふ ぁ - 今日初めて読みました!!ドキドキきゅんきゅんがたくさん詰まっててさらにGENEのみんなの話し方とか細いところが実際と少し似ててよりワクワクします!!!パート2も楽しく読ませていただきます!! (2016年11月9日 22時) (レス) id: 8b6ec5ad5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ミルクティーさん» ありがとうございます。そう言ってもらえて光栄です。これからも宜しくお願いします! (2016年3月4日 23時) (レス) id: 130554486d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー(プロフ) - 移行おめでとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))本当に楽しみで、更新されるの楽しみにしてます!! (2016年3月2日 0時) (レス) id: 554f587de0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - そらさん» ありがとうございます!すごく嬉しいです。また、感想待ってます♪ (2016年2月23日 23時) (レス) id: 130554486d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作者ホームページ:http://harucat_4466
作成日時:2016年2月14日 0時