シルヴィアと隠れんぼ ページ9
「ママ〜！ママー！どこー！｣
シルヴィアはリヴァを探している。
シルヴァが何度『今日はお仕事で朝からいませんよ？』と言っても聞く耳すら持たないシルヴィアは懲りずに探している。
シルヴィアは15歳になる。
竜として生を受けた彼女はまだまだ子供だ。
人間の血が濃いカインは年相応なのに…とか言わない！
終いには泣き出す始末…
「うわああああん！｣
ユーリが走ってくる。
「どうした？」
「ママいないの…っ」
「なるほど、父さんは？」
「そういえば…パパもいない…」
暫く面白がって着いてきていたシルヴァも仕事で離れてしまった。
「兄ちゃんが遊んでやろうか…？」
「やだ｣
即答。ユーリはなんとも言えない気持ちになった。
「ユーリ？シルヴィア何してるんだい？」
ラインハルトが近くに来る。
「何してんだろうな…」
なんとも言えない気持ちを言葉にするのって難しいな…とユーリは生まれて初めて思ったのであった。
「そういえばカインがいないのだけど、何処に行ったか知っているかい？」
「知ってるよ」
「教えてくれるかい？」
「えっとね〜南東に向かって歩いていった〜｣
「そうか、ありがとう。じゃあ暇だし隠れんぼでもしようか」
「え？俺も？」
ラインハルトが鬼で隠れんぼが始まった。
「じゃあ、数えるよ〜、いーち…」
「隠れなきゃ〜！」
「よーし…やるからには勝つぞ〜」
ユーリとシルヴィアは隠れる場所を探す。
「植木の中なら見つからないだろ〜」
ポリバケツの蓋をもって。
「兄さんは…ここかな？」
と言っているカインを見かけたユーリは無視する事にした。
「結界内に隠れよう…」
初っ端から魔法を使うシルヴィア…
場所さえ特定されてしまえばこちらも逃げ場がないのだが…
「じゅーう！よし、探すぞ〜」
差し掛かったポリバケツ…
蓋を開けて
「ユーリは…ここかな？」
植木から出てくるユーリ。
「そこじゃねぇよ！！！ってかお前もか！！」
「ユーリみーぃつけた」
「あっ！！」
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