蒼剣【創作】5 (ページ45)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:5,823 hit

45 ページ45

あれからというもの、カインはイグニス宅で過ごす事が多くなった。
書庫で本を読み漁っているらしい。

「子供たちも成長したし…そろそろ独り立ちかもね」
そんな言葉を悲しいような嬉しいようなトーンで話す。
傍に控えているアレフは、それもいいだろうと思ってはいたが口には出さなかった、
ただそれがリヴァの決定なら黙って従う覚悟があるのだ。
「そういえば、リバイアサンの呪いってどうなったんですか？」
過去の資料を読んでいたシルヴァが唐突に話す。
「勿論、継続中よ私が死ねば別の誰かがリバイアサンとして産まれるでしょうね｣
因果応報と言うべきなのだろうか…
消す力の対になる様に存在する力があるように。
リバイアサンが産まれればそれと同じだけ銀の弾丸が産まれる。
そして互いに引き寄せ合う。
誰かの記憶を引き継いで
「じゃあ、死んでもらおうかな」
不意に声がする。
その場にいたアレフとシルヴァそしてリヴァが振り向くと青い髪の青年が持っている槍がリヴァの心臓を貫く。
激昴に駆られて切りかかるアレフと銃を構えるシルヴァ。
それを防ぐ赤い髪の男と白い髪の女。
「リヴァーーーッ！！！」
悲痛そうに叫ぶシルヴァと
攻撃を撃ち合っているアレフ。
「守って…っ、子供達を…っ！！」
血が交じる口で振り絞るように叫ぶリヴァ
「まだ喋るの？しぶといなぁ…」
槍を上げると持ち上がるリヴァの体、それを振り落とすかのように槍を振るう。
ｽﾞﾙｯ…肉が引き摺られるような音がする。
それと同時に走っていた、シルヴァ。
『嫌だ、嫌だ…！』
地面に落ちたら、死んでしまう、彼女が…それだけは…それだけは。
「なんで、どうして…あんたら…誰なんだよ…っ｣
地に落ちる前に結晶化し砕け散るリヴァの破片。
「名前なんてないんだよ、俺達に」