語り部 ページ15
「その世界のリヴァは、融合に耐えられず死んでしまった…」
ぽつり、ぽつりと口にする。
「次の世界はもう世界が終わっていた。お前だけを残して」
「その次の世界はあまり覚えていないが…いや、一番覚えているが…忘れたいな…」
「無理に話さなくてもいいわ、聞きたくないし…」
「あぁ、そうか…俺は、幸せって言うものが良く分からないが…どの世界より幸せだ」
「フラグ?フラグなの?それ」
「フラグ…?」
「なんでもないわ、こっちの話よ」
「もう少し寝る…、朝が来たら起こしてくれ」
「たまには長く寝てなさいよ」
「助かったわ、応急処置まで」
扉を閉めて、壁に寄り掛かる少女にお礼を言う。
「…私の事、見たことある様な顔してるね」
「貴女…いいえ、きっと他人の空似よ」
「…黒い髪なんてこの世界じゃ珍しいもんねー」
「その刀、ヒヒイロカネで出来てるのね…伝説の鉱石。」
「目利きだね〜、私の世界じゃヒヒイロカネは賢者の石と同じで人から創るんだけど…賢者の石は呪いでヒヒイロカネは願いだからね。」
「ねぇ、ベアトリーチェ…」
「…なぁに?」
「本当はアレフじゃなくてシルヴァを殺しに来たのでしょ」
「えぇっ?そんなことないよ、殺す気は無いよ」
2人は目を合わせない。手をヒラヒラさせてベアトリーチェは帰っていく。
「全く、勘が鋭いにも程があるでしょ」
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