難破船 ページ19
「いえ、なんでもないわ…」
空間魔法だとしたら？
今の私達では勝てる自信がない。
休みに来ていたのに考えてしまっている。
「目的がはっきりしないうちはまだ黙っておくのが得策だね〜」
ルクスが笑う、
「もう冷めちゃってるか…まぁ丁度いいや」
「あれ、ルクス…何故ここに？」
「何？契約者の所にいちゃ悪いかな〜…」
「少し、席を外すわ…ルクス、着いてきなさい」
席を外す…ということは、シルヴァに着いてくるなと言っているのをシルヴァは感じ取った。
「何処まで行くの、リヴァちゃん」
リヴァは橋の塔を登る…塔の天辺に着いたあたりで足を止め下を見る。
「今、グングニルは何処にいるのかしら」
「グングニル？あぁ…ガロウの事か…」
ルクスも続いて下を見るが下には何も無い。
「魔法に詳しい彼等なら何か知っているかも…」
「教えないと思うな…ボクも一時期所属してたけど、機密っぽいし…」
横を見るとリヴァはまだ下を向いている
「所属してた？それは初耳ね」
「言ってないもん」
その場にルクスが座る。
「まぁ、興味無いけど…」
「あはは、だろうねー
…長く続かなかったんだ、ボクって飽き性だろ？｣
沈黙。
「その件には関与出来ない、釘を刺されているんだ〜、上からね」
槍を持った男、赤い髪…ガロウが後ろにいた。
「なんでここに…」
「"呼ばれた"からさ…久しぶりだ、精霊王」
「あぁ、勘違いしないで、ボクは友人に声をかけただけ、リヴァの手伝いはしないよ」
「相変わらずだなあ！」
ガロウはルクスの肩を叩く
「で、釘を刺されているって？」
リヴァは諦めて釘の意味を聞く。
「上に」
人差し指を上に2回向けてガロウは笑う。
「ギルドにも上とかあるのね」
「おう、あるぜ？ギルドの上には連盟が、連盟の上には世界政府…。」
「世界政府って言うと…観測者ね？」
「ご名答…普通は俺たちギルドが使わされるんだが…今回の事は上が直々に動いてらっしゃる…」
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