蒼剣【創作】4 (ページ10)

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居場所ページ10

「おかえりなさい～！」
シルヴァが駆け寄る
「ただいま」
ほら、お土産とシルヴァにコアを渡す
「あれ？大丈夫…なんですか？」
「大丈夫よ、もう魔剣なんて無くても」
じゃあ、とシルヴァが笑う
「もう戦わなくていいんですね？なら、僕にも必要ないじゃないですか」
アレフが険しい顔をする
クドはそれを察したようにアレフを呼び出した

「なぁ、アレフよ…」
クドが煙草を吸いながらアレフに話しかける
「お前さん、何考えてやがる？」
驚いた顔少しの沈黙
「何も、考えてません…いや、考えてます…けど、話せません…｣
「言わせてもらうけどよ…少年を見る目…まるで敵を認識した時みたいだったぞ」
え？とアレフが吐露する
そんな筈はないと首を横に振る
焦っているのだろうか、いや、そんな筈はない
心臓が煩い息が詰まる
「今回、魔剣が暴走したの…もしかして」
「違う！！！」
俺じゃない、俺じゃないはずだ

俺がアイツを喰い殺そうとしたのか…？

協会のステンドガラスが月明かりを透かす場所でリヴァが歌う
それを椅子に座って聞くシルヴァ
経った三分…短い時間だったけどとても長いように思えてしまった
ふと、リヴァを見ると深海に差し込む光を浴びて喜んでいる魚の様に美しく見えてしまう
歌が終わると反響する音に耳を傾ける
それは霧雨のように虚ろに聞こえるだけだった
「リヴァ、お願いがあるんです」
従者から恋人へ昇格は出来ないと思うけど
その赤い瞳に僕が写ってる内に
「僕は…リヴァが好きです」
伝えておこう
「それ…お願いじゃないわ」
少し驚いた顔でシルヴァを見る
「そう…ですね」
少し困ったように微笑む
「ありがとう、好きでいてくれて」
きっと、今なら言える
「ねぇ、リヴァ…君は覚えていないかも知れませんが…僕ら…昔会ってるんですよ」
覚えてる？必ず助けるって約束したの
僕、今まで忘れてたけど…君に会えて思い出せたんだよ
「覚えてない…私、それ…覚えてないよ…｣
きっと任務の後だったのだろう…
関わった人間の記憶は殆ど消されてしまったから