蒼剣【創作】4 (ページ41)

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明日追い越してページ41

「王！王！」
彼女は馬鹿なのだろうか…
「僕は王じゃない…ルカだ｣
少し嬉しそうな顔をしてレヴィは
「それが貴方の名前なんですか？」
なんて女だ…名前も知らない男を王にしようとしていたのか？
「知らなかったのか？」
「はい！自分から仰るまでは伺わないようにと思っていましたので」
扉を開ける兵士。
「反対派が攻めてきました！｣
それだけ言うとレヴィが
「わかった！王をお守りしろ！武器を持つものだけ殺せ！」
レヴィは僕に一礼すると小走りで部屋を離れる。
嫌な予感がする。何かに観られている様な…
「待て！レヴィ！」
声は届かなかった。
蒼白する顔。寒気がする。
追いかける。レヴィを何かから逃げるように。

レヴィを見つけた。だがレヴィは横たわっていた。
「…良かった。息はある…レヴィ、僕だ聞こえるか？」
抑えきれない怒りがそこにはあった。
誰だ？こんな酷いことをした奴は。
「…戦ってはダメです…」
傷だらけのレヴィを抱き抱えて。
「言え、レヴィ…誰だ？こんな事をお前にしたのは…」
「言えません…」
「言わないのなら敵味方関係なく殺す…」
「…っ……です｣
名前は聞き取れなかった。
「あぁ、ありがとう。レヴィ」
探しに行かなくて良いみたいだ…
『何も無い。貴方』
声が聞こえた。今まで無視してきた声が。はっきりと
『力になれるよ？私達なら。』
きっと、きっと。と嘲笑う薔薇の魔女。
『代償は。貴方の血でいいわ、呪われた人。何も無い人。』
何でもいいよ。こいつらを殺せるなら

「ルカ…？」
恐れ。
「レヴィ…」
嗚呼、そうだろう…敵を皆殺しにしたのだから。
当たり前だ。
「良かった。無事で…貴方。本当に自分も死ぬつもりって顔してたから…」
「僕が…？」
咳払いをして涙を拭くレヴィは僕に向けて敬礼する
「何故か、兵達の傷が回復しています…恐らくはルカ様のお力だと｣
「…そんなのは知らない。死んだ者は弔ってやろう…反対派の家族には手を出さないように命令しておけ。孤児はそうだな…この城は僕とレヴィで住むには少し…いやかなり広すぎる。｣

こうしてアヴァロン東国が出来て。
無事、僕は王に…なった(なりたくなかった)
レヴィが国に帰りたいと言うから暫く休暇を出したがそれ以降帰ってくることは無かった。
何年経っただろうか。自分の子がいると知った時は
だから、帰りたいと言ったのか。