さっさと起きろ、お嬢様。【knmc】

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こんにちは、有栖川Aです。


突然ですが、私は今絶賛迷子です。


なぜかって？


方向音痴だからですっっ



いやぁ、流石に1人で家に帰るくらいはできると思ったんですけどね、

無理でした。



全くもって道がわからない。なんで1人で帰ろうと思ったんだ私。



刀也離れするって決めた今、刀也に助けを求めるわけにいかないし…。



通りすがりの優しいお姉さん(美人さんだと尚嬉しい)が助けてくれたりはしないかしら。



無理そうですけれども。


人通りなさすぎ。




『私…誰に話しかけてるんだろ…。』


我ながら呆れかえっていると。





「んぇ、もしかして俺？」


『！！！？？？』


突然背後から降りかかった声に思わず飛び上がる。


誰！？



「んはは、そんな驚く？」



振り向いた先にいたのはシルバーヘアのイケメン。

髪が所々ピンクや紫になってる、可愛い。



彼は若干乾いた笑い声を上げて私を見た。



「ごめんなぁ、美人のお姉さんじゃなくて。」


はぁ…？



『えっと…..誰？』



え、というか今この人なんて言った？


美人のお姉さん！？


聞こえて..え！？




不破「俺は不破湊。多分君の先輩。君は？」


『えと…有栖川Aです。』


不破「Aちゃんかぁ。可愛い名前やね。」



『…ありがとうございます…？』



先輩ってことは同じ学校の上級生かな。


確かによく見れば、だいぶ着崩してはいるけど刀也と同じ制服だ。




不破「さっきからずっと同じ道ウロウロしてるから、気になって声かけたんやけど。どしたん？迷子？」



えっばれてる？


恥ずかし…



というか私ずっと同じ道歩いてたの？


めちゃくちゃ恥ずかしい人じゃない。


羞恥心で死にそう…。



『………』



思わず押し黙った私を見て不破先輩は可笑しそうに笑った。

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