元星柱は大罪人４【七つの大罪】【鬼滅の刃】

二百六十九番星 ページ39

しん、と静まりかえる店内。



私は罪を犯した。
守る為と自分に都合の良い理由をつけて、皆を裏切った。



許されることの無い罪。
それでも、許してくれるという人が居るだけでも幸せなのだ。
私は許しを請わなければいけない。





椅子から立ち上がり、その場に座った。





ﾃﾞｨｱﾝﾇ「ちょっ……A！何してんの！？」


『………許して欲しい』



急に座り込んだ私を立たせようとしたディアンヌも、動きを止めた。
私は手をつき、額を床に押し付けて言葉を紡ぐ。







『だが、私にはそんな事を言う資格なんてない。
拾ってくれた恩を仇で返し、裏切り、それだけに飽き足らず皆を傷つけた。メリオダスの判断が正しい。



こんな私だが……また、皆と一緒に過ごしたい。
口が過ぎるのは重々承知している。でも、それでも私は………






んぐっ、』




頬を掴まれ、強制的に上を向かされる。
そうさせたのは、紛れもないメリオダスで。




ﾒﾘｵﾀﾞｽ「お前っていっつもそうな」


『いつもって…』


ﾒﾘｵﾀﾞｽ「勝手に相手の気持ち測って動いて、口も悪ぃ癖に真っ直ぐで、自分の事を微塵も大切にしねぇ」


何も言い返せない。挙句の果てに約束も破る、不届き者。





ﾒﾘｵﾀﾞｽ「だけどな、オレはお前を離してねぇ」


『は、？』


ﾒﾘｵﾀﾞｽ「お前がどんだけオレ達を突き放そうとしたって、そうはいかねぇぞ。
オレ達は、お前と一緒に居てぇんだ。

傷つけたってなんだ？大した傷じゃねーし、それよかお前は守ってくれたじゃねぇか」



じわりと何かが込み上げてきて、視界が歪む。
そう思っていてくれただなんて。言葉に表せないようないくつもの感情が混ざり合い、溢れ出てくる。





『こんな私を、そんな簡単に許せるなんて言えるのかよ…？』



首を傾げて少し考えたメリオダスは、うんにゃ！と言ってまた笑顔になる。




ﾒﾘｵﾀﾞｽ「A、確かにお前は罪を犯した。
《七つの大罪》団長として命ずる。お前は今までも、これからも、生涯《七つの大罪》団員だ！オレ達から離れる事は許さねぇ。



また、一緒に来てくれるな？」









『……行く以外の選択肢がないじゃないか』


ﾒﾘｵﾀﾞｽ「来てくれねぇのか？」



にやりと笑うメリオダス。
鳴呼…前にもこんな会話をしたな。


『行くに決まってるだろ』




涙はもう誰にも流させない。絶対守る。
そう強く思い、手を握った。

特別編１→←二百六十八番星

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す