二百四十三番星 ページ12
周りを見渡すと、幼い私が裏口の傍に倒れている。
鳴呼……あの時か。
私が、お館様に拾われた時の記憶。
父にも母にも物扱いされ、死のうと思っていた矢先の鬼舞辻の襲撃。訳が分からず混乱し、意識を失って生き延びた。
何故私を殺さなかったのか…それは分からない。
目が覚めると、次は鬼化した両親に襲われて、その時に助けてくれたのが師範だったな。
その師範も、後に鬼に殺されてしまうのだが。
鬼舞辻……。
人々を苦しめ、殺し、弄ぶ。
許さない。
彼奴だけは、絶対に…!
_______ジャキンッ
『ゔっ………ぐぁ、ああぁ…!!』
ドドドドッと氷柱を折り、建物を壊し、遠くまで飛ばされる。
何が起きた?
落ち着いて理解しろ。
兎に角、傷口の止血が最優先……!
周りにまだ人が居る。身をよじり、人の少ない方へ起動を反らす。
昔の事を思い出して、鬼舞辻への怒りが湧き上がった時、意識が暗転した。
その瞬間。
右足の筋が切られ、更に左腕は肘から下が切り落とされ、吹き飛ばされた。
『ぁぐ、っ……!?』
刀を口で咥え、着物の袖を破って左腕に巻き付ける。大丈夫、まだ死なない。
建物の壁から抜け出し、地面に着地する。利き足が使えないと不便だな。
だが、此処は日の下。
彼奴は追って来れない。呼吸を整えながらでいい、彼奴の元へ……。
ヘルブラム「あれれ〜、さっきロータスと喧嘩してたAじゃない。
チミ、随分怪我してるねぇ。どうしたんだい?
……ま、言った所で助ける気はないケド」
着地した所も戦場だった。こんな所まで飛ばされてしまったのか。
ディアンヌ「A……?
A…迎えに来たのに、ごめん、ね……」
ギーラ「貴女、左腕が……!」
ハウザー「A…どうしたんだよその怪我!!」
ボロボロのディアンヌ。
ヘルブラムの攻撃に私が突っ込んでいったお陰で、意識を保てているらしい。
ヘルブラムと対峙するのは、ギーラとハウザー。その二人の足元にはゴウセルが転がっている。
それから…………
キング「A……Aっ!!
オイラはまた、遅かったのか…?」
涙を零す、キング殿。
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ミルクレープ(プロフ) - 天霧さん» ありがとうございます!受験が近いので低浮上気味ですが、少しずつ更新して行けるように頑張ります!! (2021年12月29日 12時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - とても面白かったです。続きがとても気になります。更新待ってます! (2021年12月26日 8時) (レス) @page38 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» ロータスぅぅ!!しかしながら、お話がもう少し進めば再登場します!どんな形なのかはまだ秘密ですが…🤫 推しでしたか!嬉しいです、ありがとうございます☺️ (2021年11月19日 17時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
こはね - ロータスッッ!!私の推しがッッ!!!、 (2021年11月18日 21時) (レス) @page29 id: b4a9ddf842 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます!嬉しいです✨ 更新頑張ります! (2021年11月15日 14時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクレープ | 作成日時:2021年9月25日 17時