元星柱は大罪人【七つの大罪】【鬼滅の刃】

序幕 ページ1

ｶﾅｴ「Aちゃんッ！ごめんなさい、私を庇って怪我を…！」


『泣くな、可愛い顔が台無しだ……否、お前は涙までも綺麗だな』




力なく笑って、私を抱きしめるカナエの涙を拭う。







＿＿＿＿＿自分の命か、カナエの命か。







二つに一つの選択。

私は、カナエの命を取った。



私が死んだら、きっとお前は涙を流し悲しむ。
それでも、お前に生きていて欲しいから。








『応援要請をした。もうすぐしのぶちゃんが来る。




お館様にも、錆兎にも、義勇にも、しのぶちゃんにも……ありがとうと伝えて欲しい』







＿＿＿＿＿ピチャッ





鬼の攻撃で肺が損傷してる上に、少々話し過ぎたらしい。口から血が吹き出し、カナエの顔が青ざめる。






『大、丈夫。カナエは、これからもっ…と、もっと、強くなれる。そしたら、鬼舞辻、っを倒して……幸せに…』


ｶﾅｴ「ッ……えぇ、そうね…！」





こんなに優しい友達を、仲間を持って、私は幸せ者だな。


ポタポタと私の頬に涙が落ちてくる。







………鳴呼、朝日が昇ってきた。

鬼殺隊たるもの、やるべき事を果たしてから死にたかったが……最期に友人を守りきれて良かった。









『……大好きだよ、カナエ。
ありがとう…本当に、幸せだった……』




ｶﾅｴ「うぅ……此方こそっ、ありがとう…！！」









眠い。

逆らえないほどの睡魔が襲ってくる。





死ぬってこんな感覚なのかと考えながら目を閉じる。





カナエの言葉ももう聞こえない。

微かにしのぶちゃんの気配がする。



しのぶちゃん、カナエを頼んだよ。





皆、大好きだ。





私は深い深い眠りに堕ちていった。

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