三十一番星 ページ35
『張っ倒すぞ』
「んな理不尽な、いってて…。
お前はお前でギル坊煽りまくるし、いつの間にか魔力解いてるし、こっちだって心臓止まりかけたっつーの」
『それは…悪かった』
包帯を巻きながらそう呟く。
私は魔力を持たない。つまり、この世界に順応しきれていないのだ。何故魔力を解けたのかは分からないが、私は無力。
それが悔しくてたまらない。
メリオダス「ま、お前は何時でもあんな感じだけどな」
『何だよそれ…』
元気そうに振る舞うメリオダス多量出血しているから顔色は悪いが、無理した笑顔じゃなくなった。そこに少し安心する。
するとメリオダスが、真剣な顔つきになった。
メリオダス「もうちょい肩の力抜いたらどうだ?
魔力が使えないとか、戦えなかったとか、お前なりに色々悩んでるんだろーけど……お前が戦ってて死にそうになったら、オレが助けに行く。
無理して死なれる方がオレは嫌だ。オレには守られてくれ。
絶対死なせねぇ」
なっ?と頬を緩ませて笑うメリオダスに、包帯を巻く手が止まる。
前世、私は強かった。故に、守る側の気持ちしか知らなかった。……知ろうとしなかった。
此処に来て、この立場でいると嫌でも分かる。守られる側の気持ちが。
『鳴呼、
だけど、守られる側になると改めて感じるんだ。
メリオダス「今だけ?」
___誰かが傷つくのはもう二度と見たくないと。
『此処にいる限り、きっといつか魔力は発現してくれるだろう。
そしたら、すぐそれを使いこなして皆を守る。ずっと守られるだけで何も出来ないのは嫌なんだ』
分かるだろう?と優しく微笑む。
包帯が巻き終わる。輸血した方がいいだろうか、と考えるとメリオダスが頭をポンポンと優しく撫でた。
メリオダス「やっぱお前には敵わねーな」
『どーいうことだよそれ。
……ま、聖騎士に攻撃くらって強がってる男よりは強いがな』
メリオダス「思いっきしオレの事じゃねーか」
ジトーッとした目で見られるが無視。事実を述べたまでだ。
しかしどうしたものか。近くの街で医者を探すしか手はない。手当てを終えたメリオダスをベットの上に寝かせた。
『とりあえず寝ろ』
メリオダス「強引だな。
サンキュ、助かった」
私はメリオダスが眠りについたのを確認し、店の外に出た。
339人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奥山乃愛(プロフ) - ミルクレープさん» 分かりました!無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月5日 6時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントありがとうございます!!全キャラ…作者自身の書きやすさにもよりますが、なるべく多くのキャラに愛されるようにしてみます!!完結までいけば全員分落ち書く予定です!更新頑張ります🔥 (2022年12月4日 22時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!出来たら全員のキャラ(敵にも)に愛されたいです!(恋愛的に)あと出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2022年12月4日 20時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - あれ…?あれれれれ??高評価が100票!!ありがとうございます😭✨ (2021年10月3日 15時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - ミルクレープさん» 了解しました! (2021年8月22日 19時) (レス) id: d1cecbd3a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミルクレープ | 作成日時:2021年2月20日 18時