八十七番星 ページ44
『大丈夫か』
ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「えっ…？」
私が入ると、慌てて平気な顔をする。なんで隠そうとするかな。
『バレバレだ。家族が心配なんだろ？』
嘘をついても、自分を騙すことは出来ない。エリザベスは、やっぱりバレてた？と言って苦笑する。
ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「キング様に聞けば、何か分かるかと思ったんだけど…そう上手くはいかないわね」
視線を落とすエリザベス。
私は彼女の前まで行き、膝を着いて目線を合わせる。
『大丈夫だ。
私たちが旅をしているのは、《七つの大罪》を集めてリオネス王国を救う為。つまり、お前の家族を救う為でもある。
仲間が大切にする人の事も守る。それが私達だろ？』
ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「A…ありがとうっ」
『目を擦るな。腫れるぞ』
にこりと笑って語りかけると、ポロポロと涙を流す。
泣かせてしまったか。ゴシゴシと目を擦るので、手を掴んで目元から離し、頭を撫でてやった。
ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「A」
『ん？』
ｴﾘｻﾞﾍﾞｽ「Aの事…私は信じてる。
貴女は私の友達。そうでしょ？」
『……ありがとう』
そんな事を言われるとは思わなかった。
調子が狂う。自分では分かってても、誰かと共有するとこうも変わるものなのか。
その気持ちを噛みしめ、おやすみと言って部屋から出た。
『あ、キング殿』
そうだ、エリザベスの部屋を出ても廊下じゃないんだった。部屋を出ると、ドアの目の前でキング殿が腕を組んで待っていた。
ｷﾝｸﾞ「あ、じゃないよ。用は済んだの？」
『はい。では、おやすみなさい』
ｷﾝｸﾞ「っ、待って！」
『何でしょう…？』
横を通り過ぎようとすると、腕を掴まれた。
話したいことがあるようだが、中々口にしてくれない。首を傾げていると、あのさ！と意を決したように口を開いた。
ｷﾝｸﾞ「きっ……キミはオイラの事…どう、思ってる？」
『どうって…』
ｷﾝｸﾞ「オイラはキミに散々酷いことを言った！
なのに…なのに何で、仲間だと言ってくれるの…？」
眉を下げて聞いてくるキング殿。
鳴呼、やはりこの人は優しい。ずっと罪悪感を感じていたんだ。
『理由は特にないです。
どう思われていようが、自分がどう思うかで変わるものですよ』
キング殿はハッとした様な顔になり、手を離してくれた。
おやすみ、と言って廊下へと出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マイマイマイキー - とても面白くて、今七つの大罪と鬼滅の刃にはまっていたので探してたんですよ！嬉しい！ありがとうございます！何か思う事があればこの作品を見て息抜きさせてもらってます！ありがとう！ (2021年8月5日 11時) (
レス) id: ce7ca8cbb8 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラの神!!(プロフ) - とても楽しみに待たせてもらいます!! (2021年7月24日 19時) (レス) id: aca1894eb0 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - カピバラの神!!さん» やーーーっと返して貰えました！部活の県大会終わったので！これからじゃんじゃん更新していきます！お楽しみに！！ (2021年7月24日 15時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
カピバラの神!!(プロフ) - はやく返してもらえるといいですね。枕をぬらしながら待ってます!! (2021年7月23日 20時) (レス) id: 3901f881a5 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - メリエリさん» まじですか！！ありがとうございます！超嬉しいです、頑張ります！！ (2021年7月23日 14時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミルクレープ | 作成日時：2021年5月30日 14時
