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「へぇ〜、よかったじゃん。」
「うん、ありがとう。」
昼休み。
いつもと同じようにミクとお昼ご飯を食べながら話す。
「あ、Aちゃん。おめでとう。」
「ありがとう、中島くん。」
中島くんにはすごいお世話になったし、すごい複雑な気持ちにさせてると思うな。
「あ、大丈夫だよ。もう吹っ切れてるから。もちろん、Aちゃんの事は大好きだけどね。」
そう言いながらお得意の王子スマイルを浮かべる中島くん。
最初みたいに、胡散臭いだなんて思わなくなった。
この笑顔は、中島くんが振りまいてるものじゃなくて、優しさなんだって気付いたから。
「ありがとう。」
「今度また風磨に内緒でドーナツ屋行こうね。」
なんてウインクまでしてきた。
...前言撤回しようかな(笑)
「おい中島、なに人の女口説いてんだよ。」
「げ、風磨...」
「俺に内緒でAチャンとデートだなんて100年早いから。」
「ごめんごめん、冗談だって。」
「お前の冗談は冗談に聞こえねぇ。」
少し不機嫌そうに私の隣に座る菊池風磨。
「ねぇ、そういえばAって菊池風磨のことなんて呼んでるの?」
「え、菊池風磨。」
「おかしくない?付き合ってるのに。」
確かにそうかもしれない。
じゃあ、なんて呼べばいいの?
「菊池くん。」
「他人行儀すぎ。」
「え、なに、風磨くん?」
前に座ってるミクがニヤニヤしてる。
"え、なに?" って聞くと、横を指さされる。
口元抑えて耳まで真っ赤な菊池風磨。
「ふまたん、耳真っ赤〜!」
「うるせぇ中島!」
「ふまたん怖い〜。Aちゃん助けて!」
「うわっ!」
ドサクサに紛れて後ろから私に抱きつく中島くん。
「辞めろ!離れろ中島!」
「もう!うるさいから!」
「ダメなもんはダメだ。離れろ中島。」
"ちぇ〜" なんて言いながらも離れる中島くんはなんだかんだいい人。
これから先、今までの例からして困難が待ち受けている事は確かだけど、
私の周りにはいい人ばっかり集まってるから、みんなが助けてくれる。
なんて、ずっと甘えられないけどね。
なにより、菊池風磨といれば、なんだって乗り越えられる気がする。
両思いって、幸せなんだね。
「誰にも触らせないよ、だってAチャンは俺のだもん。」
fin.
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キララ(プロフ) - いやー風磨くんたまらなくいいです!素敵でした!これからも頑張って素敵な作品書いてください (2016年7月30日 0時) (レス) id: e3a122c086 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりの - 続編読みたいです! (2016年7月27日 15時) (レス) id: e008a6c033 (このIDを非表示/違反報告)
satomai(プロフ) - 続編読みたいです!お願いします!! (2016年7月27日 10時) (レス) id: d958dfff2a (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品大好きなので是非続編読みたいです!お願いします!! (2016年7月27日 9時) (レス) id: 90116ced49 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮もえ(プロフ) - 続編読みたいです!!! (2016年7月27日 9時) (レス) id: c21c40cce3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2016年7月23日 0時