俺の。Fuma.K 2

052 Fuma ページ2

. Fuma side







俺の家は、普通の家庭だった。本当に普通の。

親父はサラリーマンで、営業部のトップ。

お袋はスーパーでパートの仕事してて。

俺には妹と弟が居て、兄弟揃って仲良かったし、

2人とも仲良い夫婦、家族として有名だった。



俺が中2の頃、親父の会社がいきなり倒産して。

そっから親父は変わった。

毎日毎日酒ばっか飲んで、遂には手出すようになって。

最初はお袋ばっかりだった。でも見てられなくて俺は、


『女に手出すなんて最低だな。』


って初めて親父に刃向かった。

それからは標的が俺になって、さすがにこの傷じゃ学校行けなくて。

なんか、学校では不登校って騒がれてたらしい。




中3に上がる頃、離婚が認められて。

1年前までは仲良くて、ずっと幸せが続くんだろうなぁって思ってた。

俺たち兄弟は全員お袋に引き取られて、親父は実家に帰ったって。

そっからお袋が女手一つで育ててくれて、なんとか高校進学出来て。



敢えて高校は遠い所を選んで、1人暮らしした。

その方が、きっとお袋の為になると思ったから。

弟や妹もこれからが金が掛かるんだし、自立出来る時にしとかないと。って。



ただ、お袋にも誰にも言ってないんだけど、

あのマンションを用意してくれたのは婆ちゃんだった。

ちなみに、親父の方の。

最初は気が引けたけど、用意してくれただけで、家賃は俺が払ってるから。

だからバイトも詰め詰めで入れてるし、正直学校で授業受けてるくらいなら寝ていたい。



それを全部理解してくれてるのが中島。

アイツは本当にいい奴なんだよ。俺なんかと仲良くしてくれて。

もちろん、勝利も優太もそう。




俺は本当に、周りに恵まれてる。





.

053→←051

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す