ハッピーエンド。Kento.N

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「ったく、またアイツは授業抜け出して。誰か知らないかー？」









ここは東京。郊外。至って普通の通信高校。

3-Aの教室には、今日も担任の呆れた声が響いた。









東棟の端、誰も利用していないはずの男子トイレの中に、人の気配がした。









「...おぇっ、」









洋式トイレの個室に、溢れんばかりの食べ物と飲み物。

彼はそれを無造作に手にとって、口に放り込んでいく。

そして、吐いた。









虚ろな彼の目は、何を見ているのか。









「..,ん？」









食べ物にまみれた彼の携帯が光り、着信を知らせる。









「もしもし？佐藤か？お前今どこだ。」

「どこって、学校ですけど。」

「あー、今日は学校だったか。とりあえず、今から迎え行くから。」

「え。」

「そんな出席日数足りずに留年してる学校なんて早く辞めちまえ。んじゃ、15分くらいだから。用意しとけよ。」









一方的に切られた電話に、彼は舌打ちをした。









仕方ないと溜息を吐き、トイレの個室のドアを起用に外側から閉め、口元と手を洗い、何事も無かったかのように、学校を後にした。









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