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「なぁ、健人。」
「なに。」
「お前、好きな人出来た?」
「は?」
"健人が泊まるならと思ってデリバリー頼んだ。"
1人では住むのに広すぎるタワーマンションの最上階、やたらと長いダイニングテーブルには、見るからに高そうなディナーが並んでいた。
「居ないよ。」
「ほら、お前昔から芋臭い女好きじゃん?」
「純粋な子が好きなんだ。」
「へぇ〜。俺は絶対無理。」
明らかに2人では食べる量ではないのに、勝利はなんの躊躇いもなく次々と口の中に放り込んでいく。
「じゃあさ、あの人の事は?もう忘れた?」
「なに言ってんだ。」
「あの人だけ唯一健人が好きになった女の中でマシだったじゃん。」
「マシとか言うな。」
「ま、あんな別れ方じゃねぇ。悔いもあるでしょ。」
「...ちょっとトイレ。」
不敵な笑みを浮かべながらチキンを頬張る勝利を見た途端、なんだか吐き気がした。
"ご飯中だぞー。ちゃんと手洗ってねー。"
なんて言う勝利を背に、俺は口元を押さえてトイレへと向かった。
勝利ってあんな奴だったか?
中学じゃ生徒会長してる、って、めちゃくちゃ清純派で売っていたのに。
あぁ、これが芸能界の怖いところなのか。
やたらと長く感じる廊下の突き当たりにトイレはあった。
握ったドアノブがやけに冷くて、必要以上に驚いてしまった。
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はこ - 最高です〜!!なかなか難しいと思いますが、更新楽しみにしています! (2021年1月24日 11時) (レス) id: 36104ab633 (このIDを非表示/違反報告)
☆ - 022【飯の時間になれば帰ってこればいい】→帰ってくればいい、 024【帰ってこればいい】→帰ってくればいい だと思います。 (2019年6月24日 15時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
☆ - 001【もう、そいうの好きなんだから】→そういうの好きなんだから、 006【父は返ってこなくなった】→帰ってこなくなった、 008【no】→?、 016【女よりは男の身体を売ら方が】→売る方が、 021【彼女の来ていた制服のスカート】→着ていた制服、 (2019年6月24日 15時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - Himaさん» Hima様 コメントありがとうございます!そう言って頂けることが執筆の糧になっております。これからもご期待に添えるよう頑張らせて頂きます。 (2018年8月2日 3時) (レス) id: 3d109ff890 (このIDを非表示/違反報告)
Hima(プロフ) - 更新待ってました!!この作品本当に大好きです!お忙しいとは思いますが更新楽しみにしていますね! (2018年8月1日 0時) (レス) id: baabc5c948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2018年4月11日 23時