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Kento







「へぇ〜。動物学専攻なんだ。」

「そう。コイツには柄じゃないって言われたけど。」

「だってこの見た目で将来トリマーになるとか言われても。」

「人を見た目で判断するな。」









すっかり意気投合してしまった俺らは、その講義は必ず3人で受けるようになっていた。









「あ、見て。あそこ。」

「なに?」

「佐藤勝利と渡辺A。」

「誰だよ。」

「知らないの?結構有名なのに。」









レイカが指差すその方向には、やたらとオーラを放った美男美女が、俺たちと対角にある1番奥の1番後ろの席に座っていた。









「幼馴染らしいんだけどさ、色々噂あるよあの2人。」

「ま、俺のタイプではないから興味ない。」

「ったく、お前ってやつは。」









溜息を吐き、やれやれといった表情のレイカは、風磨に呆れたのか前を向いて授業の準備を始めた。









俺は、何故だかあの2人から目が離せなかった。









「なに?中島あの子タイプなの?」

「は?」

「あー、好きそう。清楚!な女の子とか好きそう。」









見すぎていたのか、レイカと風磨は俺を弄ってきた。









「そんなんじゃない。」

「中島ってなんで彼女作らないの?」

「寄ってくる女はいくらでもいそうなのに。」

「その辺の子達じゃ勃たないんだよね。」

「うわ、最低。」









まぁ、その辺の子達じゃ勃たない、っていうのは本当なんだけどね。

男女のいちゃいちゃが映し出されたような甘ったるい A V なんかじゃ余計に萎えてしまうし。

かと言って S M 願 望 がある訳でもない。そういう事に関してはノーマルだ。









「ほんと、風磨とは色んな意味で大違い。」

「なんか言った?」

「別に〜。」









まるで恋人同士かのような痴話喧嘩を聞きながら、俺はやっぱり何かが引っかかってあの2人を横目で見たままだった。









.

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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時

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