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Kento
「最近さ〜、どう？」
「どうって？」
「ほら、大学生活はさ、慣れた？」
「あー、うん。」
大学内の食堂の端の席。
じゃないと風磨の周りにはすぐ女の子が集る。
「そっか。」
「なに？言いたいことあんなら早く言えよ。」
相変わらず携帯から目を離さずにそう言う風磨は、なんだか高校生の頃から比べて、髪を染めた事もあるのか、少し大人びて、近づきにくくなった。
「いや、サークルの奴に言われたんだけどさ、その...女遊び控えろって。」
「は？何しようと俺の勝手じゃん。」
「そうなんだけど..!」
「なら辞めるわ。つまんねぇし。てかサークルの女ほとんど中島目的で入ったらしいけど？中島が相手してくれないからって全員俺に回ってくるだけだし。それってつまり中島のせいじゃね？」
吐き気がした。
女が嫌いな訳では無い。実際母親だって、従姉妹だっているし、隣人の女子高生とは毎日挨拶を交わしている。
けれど、それも好意を持たれるとなると話が違う。
「...はぁ？」
「皆俺が中島の幼馴染だからお近づきになれるとでも思ったんじゃない？じゃないと俺みたいな奴に誰も寄ってこないでしょ。」
目の前に置いていたコーヒーを一気に飲み、風磨は席を立った。
「今も女の子待たせてるから。話はそれだけでしょ？もう中島も無理して俺と居なくていいよ。じゃあ。」
頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
風磨に、近寄るなと言われた気がして。
そんな俺は、足早に離れていく風磨の背中を見つめることしか出来なかった。
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作者名：はる | 作成日時：2018年3月3日 19時
