検索窓
今日:9 hit、昨日:63 hit、合計:241,343 hit

143 ページ23

Kento









自分の好きなものくらい、自分で選んで貫きたい。









「風磨帰らないの?」

「あー、今日親父帰ってくるんだわ。」

「え、久しぶりだね。」

「あぁ。まぁ、関係ない。」









高校生になった風磨は、夏休みまでにはバイトでお金を貯めて一人暮らししようとしているらしい。

風磨の家族の事情は、また今度ね。









「久しぶりなんだから、会っといた方がいいんじゃないの?」

「合わせる顔ねぇわ〜。」









なんて言いながら携帯のアプリで部屋を探している風磨。

隣で本を読む俺とは違って、ひとつ下なのに大人に見える。









「なに?」

「いや、大変だなぁ〜と思って。」

「ふっ、他人事。」









目にかかるほど長い前髪の間から見える澄んだ瞳が、俺を捕らえて離さない。









「なんか中島ってさ〜、」

「ん?」

「結構いい体してるよな〜。」

「まぁ、普通に筋トレくらいはしてるし。」

「姿勢とかも俺の猫背と違って綺麗だしさ〜。」









確かに。

俺はベッドの下のローテーブルの前に座り背筋はピンとしている方かもしれない。

対して風磨は、俺のベッドの上に勝手に上がり寝転がっている。

普段椅子に座る時もかなりの猫背だし、先を心配する事もある。









「でもさ〜、」








俺の後ろでうつ伏せになった風磨は、不意に俺の髪を触った。









「こういうアホ毛があるとことかがギャップなんだろうなぁ〜。」

「へっ?」









思わず声が上ずってしまった。

顔が赤くなるのが分かる。

風磨は後ろにいるから、気付かれてないよな...?









「俺にもそんなギャップがあればな〜。」

「風磨は、かっこいいよ。」









沈黙が訪れた。

あぁ、キモいって思われたかな。

男が男相手に "かっこいい" って普通に言うもんだっけ?









「中島...」

「...」









怖くて後ろが振り向けなかった。









「...ありがとう!」

「は?」









驚いた俺は思わず後ろを向いた。









「だって近所とか学校でも俺より中島の方が人気だし?ソイツにかっこいいって言われたら俺自信つくわ〜。」









いや、風磨は俺より何百倍もカッコいいけど。

なんて言葉は、心の中にしまっておいた。









.

144→←142



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (244 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2327人がお気に入り
設定タグ:SexyZone , 菊池風磨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。