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Kento
「えー。開けんの?」
「おう。」
「なんでまた急に?」
大学の昼休み。
風磨の愛しい彼女は今日は全休らしく、珍しく携帯から目を離さずにいた。
「んー、開けよっかなって。」
「へぇ。彼女の影響だ。」
中2の時に開けた軟骨ですら今はもう彼女とお揃い風だとかいうピアスしかつけているところを見たことがないし、てか、装飾品面倒だとか言って毎回同じのしかつけてなかった風磨。
耳たぶなんてありがちなとこ付けても気持ち悪いだとか、俺のイヤーカフにすらあーだこーだ言ってたくせに。
「マジで開けんの?やめとけば?」
「なんでそんな止めんだよ。」
「王道な場所に開けるの嫌なんじゃなかったのかよ。」
「うーん。まぁ。」
風磨はこういうところ意外とキッチリしているから、ピアスを開けるためだけに病院を予約してる。
「昔俺が勧めても開けなかったじゃん。」
「そうだなー。」
「そんなにあの子が好きなんだ。」
俺の言葉に反応した風磨は、携帯を触る手を止めて、俺と目を合わせた。
心臓がドキッと跳ねる。
「うん。好き。」
俺から目を離さないままそう言った風磨は、また何もなかったかのように携帯へと視線を戻した。
自分に向けて言われた言葉ではないのに、こうもドキドキするものなのか。
はぁ、面倒だ。
俺が幼馴染じゃなければ、なんて。
今更思っても、どうにもならない現実だ。
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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時