ノンフィクション。Fuma.K 2

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「なに？こんな寒い時にこんな所呼び出して。」

「勝利が言ったんでしょ、いつでも呼べって。」

「まぁ、そうだけどさぁ。」









小さい頃よく遊んでいた近所の公園に、勝利を呼び出した。

もうだいぶ朝晩は冷える。そろそろ冬物のコートを出そうかと悩んでいる。









「で、なんかあったの？」









勝利は黒のMA-1を羽織っていた。

サイズが大きめにできているのか、勝利が華奢すぎるのかは分からないけど、とりあえず似合っている。

ポケットに手を突っ込んで、首をすくめて、私の座る古く錆びたブランコの正面に立った。









「そのMA-1、まだ持ってたんだ。」

「まぁね。...高2だったっけ？」

「そうそう。ちょうど今くらいの時期にあげたよ。...はい、今年の分。」

「お、ありがとう。」









今日は勝利の誕生日だ。

まぁ、もうあと数十分で終わってしまうけど。









「あー、ニットね。可愛いじゃんこの色。」

「私のセンスなめないでよねー。」









赤の中でも、ボルドーでもレンガでもワインでもないその色は、ガーネットだ。

薄く赤みを帯びたベージュ色。

引けを取らず、群れず、自分で生きていく力のある人に、その色が似合うと私は思っている。









なにより、勝利は赤がよく似合う。









「ありがとう。また着るよ。」

「うん。いい奴だからそれ。大事にしてね。」

「分かった分かった。で、それだけ？」









感の鋭い勝利は、やっぱり気づく。

でも、今日は勝利にとっても、勝利の家族にとっても、...もちろん私にとっても大切な日だ。



だから、今日は幸せなままの気持ちでいてほしい。









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