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毎日のように佐野道場に通った
稽古がなくても、あっても

万次郎よりは確かに弱い、けど普通の人よりは多分強い

『ねえ、圭くん。私って弱い?』

「急にどうしたんだ?」

『万次郎に弱いって言われたから』

「んー、Aは強いと思うけど、マイキーが強すぎんだよ」

だよねー、なんて稽古の休憩中に生徒仲間の圭くんこと場地圭介くんのとなりに寝転ぶ


「Aは強くなりたいのか?」

『わっかんない』

『空手が好きなのかも』


お兄さん家の道場じゃなきゃ多分通わなかったけど。
いや、絶対通わなかった

『圭くんは?強くなりたい?』

「当たり前だ。強いやつほどかっこいいだろ」

『男の子ってなんでそうなのかなあ』

『強くなくてもかっこいい人なんて沢山いるよ』

例えば、お兄さんとかなんて心の中で言ってみる

「そんな奴いんのか」

圭くんは不思議そうな顔をする。

「俺とか?」

「あ、真一郎くん!」

心臓に悪い。急に現れるから

「よ、A、圭介」

元気にしてっか?なんて神出鬼没のお兄さん


『最近いなかったけど、何してたの』

「男のロマンかな」

『答えになってない』

「それより、圭介。上達してるか?」


話しそらした。


「おう、マイキーには勝てねえけど」

「あー、万次郎は強えもんな。」

『お兄さんよりね』

「だからストレート」

『年下の弟より弱い』

「辛辣すぎるやっぱり」


少しムカついていつもより酷いこと言っちゃう


「まあ、俺はここで勝負だからな」

なんて自分の胸に拳を当てる

「よくわかんねえけど、かっけー」

圭くんは目をキラキラさせてる。


やっぱり苛立ちが収まんなくて何も言わずにその場から離れる。

外へ道着のままでていく

後ろから追いかけてくる足音
それだけで嬉しくなる

「A、急にどうしたんだよ」

『別に』

「もしかして、俺に会えなくて寂しかったのか、」

『そうだよ』

「へ?」

お兄さんはいつもなら私が否定すると思って言ったのに、私が肯定したことに驚いてる

『お兄さんに、会いたくて』

『でもお兄さん最近全然来ないから』

今まで人前で泣いたことなんて数えるくらいしかない。しかも大好きな人の前で泣くなんて

『お兄さんのバカ』

「ごめんな。」

ふわっとお兄さんの匂いに包まれる
安心する


『お兄さんのこと大好きなの』

今までこんなこと言ったことない。いつもなら言わないのに


『大人になればいい?』


「大人になればな」


『待っててくれる?』


「いつまでも」

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キャンディー(プロフ) - 綺羅さん» 私も真一郎推しなので、この作品を作っちゃいました笑笑 (2021年11月24日 21時) (レス) id: 2c0233fc7b (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 真一郎推しからしたら最高すぎる!!!! (2021年11月21日 12時) (レス) @page28 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます! (2021年8月12日 20時) (レス) id: caaf428f68 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 1ページ目の消毒液を付けるところ、あんのていではなく、あんのじょう(案の定)だと思います!要らぬ指摘だったら一々細かくてすみません…。 (2021年8月12日 19時) (レス) id: 44f2d9f658 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2021年8月11日 21時

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