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蝉の声が嫌ほど聞こえる夏
暑いとみんなが騒ぎ始める
『ねえ、万次郎、今日ここに寄り道してこ』
｢いく｣
小学生に上がったちびガキこと佐野万次郎は私と同じ学校に通い始めた
それからというもの登校も下校も何故か着いてくるようになった。
私の家と万次郎の家は徒歩で10分くらいのとこにあるしかも、小学校に近いのは万次郎の家。なのにわざわざ朝からダイナミックな寝癖と共に私の家の前までやってくる。
最初は置いていった。気づけば走って来たのか隣にいる
｢なんでおいてくんだよ、｣
『なんで万次郎くんと登校しなきゃ行けないわけ？』
｢別にいいじゃん、俺と登校したって｣
なにかダメなことでもあるのー？なんて言ってくる。それを最初の何回かは毎日のように続けてて、根気に負けて何故か下校まで一緒にしている始末である。
『あー、夏に食べるアイスって美味しい』
コンビニなんかよりも安く近くの駄菓子屋さんで売ってる。お兄さんが買ってくれたアイス
｢んへーな｣
隣では私が奢ったアイスを頬張るちび
私が普通の小学生より成長が早いのか万次郎との身長差は離れるばかり
｢奢ってくれてありがとな｣
なんてお兄さんそっくりの笑顔
似てないなんて思ってたけど、やっぱ顔は似てる
『私の方がお姉さんだからね』
｢俺より弱いくせに｣
『それとこれとはべつ！！』
｢俺より年上の癖に弱い｣
『はあ！？』
｢なんだよそんな怒って｣
『怒ってない！』
｢怒ってるじゃん｣
『いいわ、私は万次郎より弱い。それは認める』
『でも万次郎より背も高いし、頭もいいし、実際年齢も上』
わかった？と万次郎に言えばめっちゃ嫌そうな顔
｢でも、俺より弱いじゃん｣
『強さとか関係ない！』
｢あるよ、いざと言う時守れんじゃん｣
『自分のこと？』
｢Aは俺より年上だけど弱いから俺が守ってやんなきゃあぶねえだろ｣
『へ？』
あの頃とは想像もつかない。マセガキだこれは
｢登下校中にもし変な奴らに絡まれたら無理だろ｣
｢だから俺がいる｣
『ありがとうね』
真っ白な肌に似合わないくらい真っ赤な耳
『でも私やっぱお姉さんだからなあ』
｢いつまで引き摺ってんだよ｣
『別にいいでしょ』
｢じゃあ、俺がもっと大人になればいいの？｣
何よそれ、なんて笑って言い返そうとしたけど
私を見る瞳が、やけに真っ直ぐで
｢待っとけよ、欠伸でもして｣
『あんた本当に小学一年生？』
大人びて見えた
｢バリバリの1年｣
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キャンディー(プロフ) - 綺羅さん» 私も真一郎推しなので、この作品を作っちゃいました笑笑 (2021年11月24日 21時) (
レス) id: 2c0233fc7b (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 真一郎推しからしたら最高すぎる！！！！ (2021年11月21日 12時) (レス) @page28 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！ (2021年8月12日 20時) (レス) id: caaf428f68 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 1ページ目の消毒液を付けるところ、あんのていではなく、あんのじょう(案の定)だと思います！要らぬ指摘だったら一々細かくてすみません…。 (2021年8月12日 19時) (レス) id: 44f2d9f658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤマタノ | 作成日時：2021年8月11日 21時
