4 ページ4
お兄さんと出会って3ヶ月
あれよあれよと
｢おし、今日の稽古始めるぞ｣
お兄さんの家でやってる道場に何故か通い始めていた
きっかけはお兄さんの一言で
｢A、ここ通ってみないか｣
って単純な一言
私にとってはお兄さんと確実に会える定期切符を手に入れた感じ
『お兄さんが言うなら』
｢それなら、決まりだな｣
初めて見た時は、表情ないなこいつって思った
でも、時折真一郎と話す時だけ、柔らかい表情を見せる。
女の尻追いかけ回してる真一郎のどこがいいんだか分からない
けど幼い俺でもわかる。
多分あいつ、真一郎のことが好きなんだって
なんか気に食わなくて、俺よりも年上だけど、おれよりも弱いって分かるからボコボコにしてやろうとあいつが来る度勝負を持ちかけるようになった
｢なぁ、勝負しろよ｣
『嫌だ、負けるもん』
｢やらなきゃ分からないだろ｣
『私と勝負して何かいい事あるの？』
｢別に｣
なんなの、なんて呆れた顔で俺を見るから、そんな顔真一郎には見せないだろって
初めてエマ以外の女と関わった
無愛想で、可愛げのないやつが
俺よりも年上で、いつもすました顔してる
『ねえ、万次郎くん。この技ってどうやればいいの？』
真一郎に誘われたから入ったのに、空手の練習にはとことん真面目に取り組んでて
そんな姿みたいからって毎日練習に参加するようになった
俺でも分からない俺の中での変化
ちっとも面白くなさそうな女が
｢こうやって足使うと簡単｣
『わ、ほんとだ。ありがとう』
少しだけ、ほんの少しだけふわりと笑った顔が
真一郎に言えば多分
《青臭いガキンチョがいっちょ前だな》
なんて笑って言うだろう
それくらいストンと心の中に入っていった
｢分からないことあれば、また俺に聞いてもいいよ｣
｢A｣
少し照れくさい、こいつの名前を言うのは
『年下の癖に』
少し嫌そうな顔をする
『でもありがとう』
胸がむず痒い
『あと、やっと名前呼んでくれたね』
初めてしっかりと視線が交わった
綺麗なライトグリーンの瞳が
【忘れられないほどにーーー】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 337人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャンディー(プロフ) - 綺羅さん» 私も真一郎推しなので、この作品を作っちゃいました笑笑 (2021年11月24日 21時) (
レス) id: 2c0233fc7b (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 真一郎推しからしたら最高すぎる！！！！ (2021年11月21日 12時) (レス) @page28 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！ (2021年8月12日 20時) (レス) id: caaf428f68 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 1ページ目の消毒液を付けるところ、あんのていではなく、あんのじょう(案の定)だと思います！要らぬ指摘だったら一々細かくてすみません…。 (2021年8月12日 19時) (レス) id: 44f2d9f658 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヤマタノ | 作成日時：2021年8月11日 21時
