終わり、そして始まり ページ3
「君を急に呼んでしまったことに先ず詫びさせてくれ。」
『はい、』
「警察学校の卒業式を欠席させてしまってすまないな」
『いいえ』
「それで今回の件なのだが」
『FBIに所属』
「なっ、知っていたのかね?」
『来ると思っていましたから。本当はもっと日本の警察署に配属されたかったですけどね。』
「まぁ、君ならそう来ると思っていたよ。我々としても君は大事な戦力だからこちらに所属して欲しいくらいなのだがな…」
『こんなピックアップは滅多にない、ということですね。』
「あぁ…そうだね」
「君に釣り合うほどの対価を引き換えにしてきた。」
「我々としても君一人か、警察署所属の警察官何万人か」
『素晴らしい判断だと思います。』
きっと、秀一さんが手回しをしたんだろう。
私の未来は遅かれ早かれこうなっていた。
「そして、君がFBIに引き抜かれたことはここだけの機密情報になる。」
「君は今後一切、今までの友人たちとの連絡は禁止だ。」
「親御さんには、事情を説明し、今後は状況に応じての連絡になるだろう。」
私の答えにいいえという言葉は入っていない。
『承知致しました。』
--------------
『はい、処分してください』
そう言って差し出したのは私が使っていた携帯
もうこの携帯は私に必要ない。
そんなことを考えながら、業者の人の話を聞く。
たくさん思い出が詰まってるわけでもないし、連絡先だって数人のものしか入ってない。
覚悟は決めてたはずなのに
「お客様、お写真のデータ等はどうなさいますか?」
『あー、消しちゃって』
あれ、私、この携帯で写真なんてとったっけ
『ちょっと待ってください!』
そう言って業者の人からもう一度携帯を受け取る。
メニュー欄のボタンを押して写真フォルダーにいく。
『え、』
中を開けば、写真フォルダーの欄に1と書かれた数字
そのフォルダーを開くと画面に映し出される写真
同じ教場になって仲良くなってから初めて撮った写真だった。
これ、ヒロの携帯で撮ってなかったんだ。
その時の私は写真を撮るなんて行為がめんどくさくて、誰の携帯で撮ってるかなんて確認してなかった。
もう、会えない大切な仲間
『写真のデータ残しておいてください。』
この写真だけ、残してもいいよね。
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の〜さん(旧もこ)(プロフ) - キャンディーさん» 教えてくださりありがとうございます。 (4月26日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» はい。救済ではありませんので。今、警察学校組が出てきているのは松田が生きている時のお話です。 (4月26日 0時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - これって警察組氏んでますか? (4月25日 23時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - この作品凄く好きです。今後も楽しみにしております。無理なく頑張ってください。 (1月20日 18時) (レス) id: 7994b8d3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2024年1月18日 0時