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本当はすごく嬉しかった。

気持ちを伝えてくれたこと。

でも


『ごめん』

『その気持ちには答えられない』

私はずっと日本にいるわけじゃない。

『それに、私がこんな姿してるってことは容易に想像つくでしょ?』

いつまで、黒の組織に潜入し続けるのかも分からない。

松田を巻き込む訳には行かない。

「なにか、事情があるんだろうなとは思ってた」

「でも、気持ちに答えられないってのは納得いかねぇ」

「俺はお前に好きか好きじゃねえか聞いてんだよ」

いつだって松田は私に正面突破してくる。

隠してた部分も引っ張り出すようにして。


『私は』

考えたこともなかった。

松田が恋愛的に好きかどうかなんて

別に彼氏を欲したことも、好きな人を作りたいとも思ったことは無い。

だから、


『ごめん、好きとか分からない』

「えっ!?ここまできて!?」

『うん、、なんかごめんね』

「まじかよ」

『ごめん』

「結構きちーな。YESかNOじゃなくて分からないは」

『だから付き合えないとは言ってるじゃん』

「いや俺、付き合ってなんていってねぇーよ」

松田ってこんなめんどくさい男だったっけ。
いや、めんどくさかったな


「これ以上お前にしつこく聞いたら嫌がられそうだからやめとくわ」

「悪ぃな。長々と引き止めて。」

そう言って、私の頭に手をのせて優しく撫でる。

いつも雑だったのに、なんでこういう時にだけ優しいのよ。

「お前に会えてよかったわ。」

じゃあな、と歩き出した。

私は本当にこのままでよかったの?

自分はとことん人に対して不器用


『ちょっと!まってよ!』

その声に松田が止まる。

『私、松田と出会えて良かったとは思ってるよ。』

『何時でも真正面からぶつかってくれて、私のわがまま聞いてくれて、半年間しか一緒にいなかったけど』

『本当に、感謝してる。』

『もう会うつもりなんてなかった。会えるとも思ってなかった』

『それで、それで』

何こんな私喋ってるんだろう。


『やりたいなって思うことも、見たいなって思うことも、話したいって思うことも全部松田で、』

『私、松田と出会えたことで変われたと思う』

『だから、また会えたらいいな。何年後何十年後かもしれないけど。』

『誰かになりすましてても、松田なら今日みたいに見つけてくれるでしょ?』

『本当にありがとう!じゃあね!』

言いたいことは言えた。松田は1回も振り向くことは無かったけど。また会える時を願って

ーーーーーーー

「反則だろ、」

「もうそれって、好きってことじゃねえのかよ。違うのか!?めんどくせぇなもう」

コードネーム2→←分かる



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の〜さん(旧もこ)(プロフ) - キャンディーさん» 教えてくださりありがとうございます。 (4月26日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
キャンディー(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» はい。救済ではありませんので。今、警察学校組が出てきているのは松田が生きている時のお話です。 (4月26日 0時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - これって警察組氏んでますか? (4月25日 23時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - この作品凄く好きです。今後も楽しみにしております。無理なく頑張ってください。 (1月20日 18時) (レス) id: 7994b8d3a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤマタノ | 作成日時:2024年1月18日 0時

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