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無「椿、具合はどうだ?」
「鬼舞辻…無惨…。」
椿とは誰?私のことを言っているの?
私は華。
鬼になると名前を変えられるというの?
私と同じ、鮮血のように真っ赤な双眸。
瞳孔は猫のように縦筋に伸び、
笑った口から覗くのは、鋭い八重歯。
白い帽子に、黒いスーツという御身分の高い方が着る、洋服というものを身にまとっていた。
怒りを鎮めるために、黙って唇を噛み締めていると、無惨はまた話だした。
無「鏡はお前が割ったのか。化粧道具も全くもって使っていないじゃないか。」
私に近づいてくると、そう言って私の頰をそっと撫でた。
無「…口を開いたらどうだ。この私がお前に話しかけてやっているというのに、無視をするというのか。」
至近距離で鮮血のような双眸が私を覗いてくる。
「…貴方と話す理由なんてありません。私は人間です。貴方のことは黙っていても構わないから、私の家に戻して。」
無惨は少し驚いたように目を開いた。
無「ほう、口を開いたと思えばへらず口か。まったく、可愛げがないな。お前は美しいのだから、余計なことは言わずに私の言うことを聞けばいいのだよ。」
無惨は私の首筋に歯を立て、そう言った。
首筋には吐息がかかり、舐められた場所や触れられた場所は熱く感じる。
「…っ!」
「っ、いい、から私を元に戻して。家に帰して。」
顔を上げた無惨は何を思いついたのか、ニヤリと笑うと私を押し倒した。
無「ほぅ、これはなかなかに良い素材だな。そんなに顔を真っ赤にして息を荒げて抵抗したところで私を誘っているだけだぞ?」
誘ってなんかいない。
押し倒されたことと、肩に込められた鬼の力の強さに、恐怖を感じ、震えが止まらなくなる。
無「椿。お前はもう気づいているのだろう?お前は鬼となったのだ。お前は私の言うとおりにし、私のもとで生きれば良いのだ。お前の役目は私を楽しませること。いいな?」
ふに、と触られた唇。
身体の火照りと、吐きそうになる恐怖と不快感。
無惨は自身の指を切り、血を流すと、それを私の口の中へと入れた。
甘く、とろりとしたその液体は口の中でとろけ、一口、口に含むだけで頭が回らなくなった。
身体がジンジンと熱く、もっと欲しいと思ってしまう。
飲んではいけない、舐めてはいけない。
吐き出せ。私は人間…だか、ら…。
「…もっと…。もっと飲みたいの…。もっと私にくだ…さい…」
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HARu(プロフ) - Ωさん» 申し訳ございませんが、現在リクエストは受け付けておりません…。リクエストは受け付けられませんが、今後もよろしければこの作品を読んで頂けると嬉しいです! (2020年5月9日 20時) (レス) id: d53301ec48 (このIDを非表示/違反報告)
みるく餅(プロフ) - Ωさん» まずリクエスト受け付けて頂けるか聞くのが先ではありませんか? (2020年5月9日 20時) (レス) id: bf52b07c83 (このIDを非表示/違反報告)
Ω - 鬼舞辻無惨様が夢主を溺愛してる話と鬼舞辻無惨様が夢主の信者みたいになって夢主の言う事だけは聞く話見たいです他の鬼殺隊や鬼達には原作通りで無惨様は日光も克服してる少量の血を飲むだけで良い設定で (2020年5月9日 20時) (レス) id: 421640d4d1 (このIDを非表示/違反報告)
HARu(プロフ) - 神楽 林檎さん» 神楽さん!ありがとうございます!私のいろんな作品にコメントしてくださっていますよね?本当にありがとうございます!中々更新頻度が少なく申し訳ございません。高頻度で更新できるように頑張ります!今後もよろしくお願いします! (2020年5月9日 1時) (レス) id: d53301ec48 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 林檎 - 更新頑張って下さい!応援してます!! (2020年5月8日 21時) (レス) id: a7e0927490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HARu | 作成日時:2019年12月30日 23時