ずっと前から貴方のことが ページ15
「あーあ、何で逃げちゃったのかな。」
そんなことを呟いても、返してくれる人はもう目の前にはいない。
聞こえてくるのは
下校していく生徒たちの声
グラウンドに響く運動部の掛け声と吹奏楽部の演奏
そして、屋上に吹く風の音。
3年前と何にも変わってないな、なんて笑って
何だか情けなくなって、座り込んで下を向いた。
「これ、いい写真だね。本当に」
突然上から聞こえてきた声に、驚いて顔をあげる。
「3年前の写真、大事にしてくれてたんだ。嬉しい」
先輩は隣に座って、写真立てを見せてきた。
私があげた写真立て。
実は2枚裏表に入れられる仕様になっていて
表には、BBQの日に撮った7人の写真を入れた。
そして裏には、体育祭の前に慎太郎が撮ってくれた
私と先輩のツーショット。
大切な、私の宝物。
「俺さ、ずっと後悔してたことがあって」
「好きな子がいたんだよね。
でも、伝えられなかった。
好きだって気づいてなかったから。
いや、気づかないふりをしてただけかな。」
先輩は遠くの空を見つめていた。
「その子とね、長い間一緒にいたんだよね。
笑った顔が可愛くて、沢山一緒に笑ってくれた。
バスケが得意で、勉強もできて
でも気づいたら授業中寝ちゃってる。
真っ直ぐで、優しくて
もう限界なのに、限界を超えて無理しちゃうくらい
何事にも一生懸命な子。」
こちらを見つめる先輩から、目が離せなかった。
「俺さ、ずっと好きだった。Aちゃんのこと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Minori Miura(プロフ) - ニヤニヤが止まりませんでした♡あー素敵過ぎました (2022年10月19日 22時) (
レス) @page18 id: 49c573fac4 (このIDを非表示/違反報告)
Harinezumi(プロフ) - はむはむさん» はむはむさんはじめまして！コメントありがとうございます。嬉しいです( ¨̮ )♡これからもよろしくお願いします！ (2022年10月9日 14時) (レス) id: b77e012429 (このIDを非表示/違反報告)
Harinezumi(プロフ) - hさん» 申し訳ありません！修正しました。ご指摘ありがとうございます！ (2022年10月8日 22時) (レス) id: b77e012429 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - こんにちは、はむはむです。めちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新頑張ってください(^^) (2022年9月25日 22時) (レス) id: 2b371b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
h - お/り/ふ/らたってますよ (2022年8月29日 11時) (レス) id: 0d05efe297 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はりのこ | 作成日時：2022年8月11日 1時
