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「結局さ、山崎ちゃんはどうしたいの?」
「,,,たろの気持ちには応えられないけれど
12年間一緒だったから
今さら隣にいないなんて考えられないし
これからも隣にいてほしいって思ってるよ。
でもきっと、それは慎太郎を傷つけるだけなんだよね。」
「先輩のことは踏ん切りをつけたつもりだったのに
全然諦められてなかった。
きっとこれからも、想い続けるんだと思う。」
4年ぶりに先輩と会って
あのころの思い出がよみがえってきた。
嬉しいことも、悲しいことも、全部。
あの頃から私はずっと、先輩が好きだった。
「私、いつからこんなにワガママになっちゃったんだろう。
みんな傷つけて、気遣わせて
そんなことにも気づけなくて。最悪だ」
「山崎ちゃんはワガママなんかじゃないよ。
優しくて、相手のこと思いやれる人だよ。
だからさ、そんなこと言うなよ」
そして、何かを決心したかのように
私に向き直った。
「この際だから俺も言っちゃうけどね
いや、このタイミングは間違ってるのかもしれないけれど
待ってるのも違う気がするから,,,」
「Aちゃん、俺じゃダメかな?
初めてあった日からずっと
Aちゃんのことが好きだよ。」
「返事は今すぐにとは言わない。
なんなら俺の気持ちを聞いてくれただけでいいから。
ただ、こーちのこと忘れられないし
慎太郎をこれ以上傷つけたくないって言うなら
俺っていう選択肢もあるよってだけ」
田中くんは私の手をキュッと握りしめた。
「じゃあAちゃん、またね」
顔をあげれば私の家の前。
田中くんは手を振って去っていった。
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作者名:はりのこ | 作成日時:2022年6月22日 22時