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目の前に立っていたのは田中くんで
顔を上げるとくしゃくしゃっと頭を撫でられた。
なんだか分からないけれど
涙はもっと止まらなくなった。
最寄り駅に着くと
田中くんは私の手をとって電車を降りた。
ここまできて逃げるつもりはないのだけれど
離すことができた手を繋いだままにしていたのは
このままこの優しい手に捕まっていたかったから。
駅を出てから田中くんは徐に口を開いた。
「Aちゃん、何で泣いてるの?」
正直私もいっぱいいっぱいで上手く説明できない。
「もしかしてさ、こーちのことだったりする?」
「,,,何で知ってるの?」
慎太郎も田中くんも、なんで全部わかっちゃうの?
「山崎ちゃんがこーちのこと好きなのは
慎太郎から聞いてたんだよね」
「ねえねえ慎太郎
山崎ちゃんこーちきてめっちゃ嬉しそうじゃね?
もしかして、こーちのこと好きだったとか?」
「Aさ、4年前からずーっとこーちのこと好きなんだよ。
口開けばこーちこーちって、ずっと言ってたのに
あいつ告白もしなかった。
気づいたらこーちのこと喋らなくなってて。
何かあったっぽいから、あんまりいじらないであげて?」
「しかもジェシーが昨日こーち告白されたって言ってたし。
何かあったって考える方が普通でしょ?」
「そっか,,,昨日ね,,,」
私の話を田中くんはずっと優しく聞いてくれた。
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作者名:はりのこ | 作成日時:2022年6月22日 22時