ずっと前から貴方のことが（yg） (ページ39)

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先生に呼び出された。

1週間後くらいに部活の卒業アルバム用の写真撮影があるらしい。

俺、バスケ部のキャプテンだったからさ？一応。

「じゃあ、○○日によろしく頼むぞー」

「はーい、先生さようならー」

帰ろうと思って廊下を歩いていたら

「お、樹じゃーん！」

「ジェシーじゃん！やっほー！」

ジェシーがいた。

教育実習生って実は暇なの？と思いながらも結局喋り倒した。

「そういえば、こーち告白されてた」

「え、自分で言ってたの？」

「ううん、見てた。たまたま。ナイショね？」

ジェシー、内緒なら普通こんな簡単に人に喋らないのよ。

その後も沢山喋って、気づけばいい時間。

「じゃーなー、ジェシー」

「Bye bye〜！AHAHAHA」

無駄に発音がいいばいばいで見送られた。

そういえば、最近は2人と帰ってるから

1人で帰ることなんてなくなったな、なんて思いながら

いつもの道を歩く。

道路沿いの公園を通りかかったとき

目の前を見覚えのある人が歩ていた。

「山崎ちゃん,,,」

見るからにへこんでて

今はそっとしてあげてた方がいいかなって感じ。

しょうがないから、気づかれない距離を保って帰ることにした。

電車に乗っても山崎ちゃんは全然気づかない。

それどころか顔も全然あげないから

疲れて寝ちゃったのかな、ぐらいに思ってた。

「あの子、どうしたんだろうね」

そんな声と共に誰かがすすり泣く声が聞こえてきた。

誰だろう、と顔をあげれば

山崎ちゃんが泣いていた。

いてもたってもいられなくて

自分が座っていた席を立ち

山崎ちゃんの前に立った。

「,,,田中くん」

俺を見上げた山崎ちゃんはめちゃくちゃ驚いた顔をしていた。

なんて声をかけたらいいのかわからなくて

俺は山崎ちゃんの頭をくしゃくしゃっと撫でた。