１９話 ページ19
「どうしたーそんな飲んで。」
「...ぜんっぜんなんもないっす。」
頭の中は望の事でいっぱいだった。あの女の子は誰だろとか、あのネックレスは望があげたのかとか、頭の中でぐるぐる回っている。
「嫌なことは飲んで忘れるが一番！」
別に嫌なことじゃない。望はもう高校三年生だし、彼女がいて当たり前だ。嬉しいことだ。弟に彼女ができたようなものだ。
喜ばないといけないはずなのに気分は沈みきっている。
だいぶ酔いが回って佐藤さんに連れられて店を出る。もう一軒行くつもりなのだろう。
プルルルル....
「もしもーし」
『あ、�陲舛磴鵝Ｂ臂翩廖�結構酔ってるんやない？迎えに行こうか？』
なんやこいつ、彼女おるんに普通に電話かけてきて。
「酔ってらいからっ....、らいじょーぶ、」
『どこおるん？』
言うわけないやろ。今望の顔見たら
「らいっじょーぶやって！ね！佐藤さん、」
...きっと。きっと、泣いてしまうから。
『�陲舛磴鵝�絶対そこから動かんで。』
「え〜？」
俺はもう酔いに任せた。携帯を切るのを忘れていることに気がつかなかった。
「�霤弔�ん。怖いことしないからさ。」
酔っ払った自分でもわかった。周りには若い男女がいっぱい歩いている通り。ホテル街に連れてこられていた。
「いやっ！痛いっ！」
腕を掴まれて逃げようと必死にもがくがビクともしない。このために今日は飲んでいなかったのかと今になって気づく。
素直に望の言うこと聞いてればよかった。こんなことにはならなかったのに。
「�陲舛磴鵐叩�」
「.....っのぞむ！」
俺の方に走って来て俺と佐藤さんを引き剥がす。俺は気がつくと望の胸の中にいた。望が何か喋ってるけど、なんにも入ってこない。
嬉しい気持ちと、悲しい気持ちが入り混じる。
「帰るぞ。」
望のその低い声にドキッとしながら、帰り道ただ無言で手を引っ張られて歩いた。
なんでこんなことするん？あの子がおるやん。俺に優しくなんてせんで。
隣にいるのが、ただ苦しいだけだから。
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ゆう(プロフ) - irohaさん» ありがとうございます！続きも楽しんでいただけたら幸いです！ (2018年10月9日 23時) (
レス) id: cc6ad799f5 (このIDを非表示/違反報告)
iroha(プロフ) - Twitter、フォロー失礼します！ お話大好きです！ (2018年10月9日 18時) (レス) id: 985055bb27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年9月16日 2時
