２話 ページ2
学校にいる間もずっと彼の事を考えていた。いつか話したい。俺が助けてあげたい。
彼に気づいたのは高校2年の時だった。いつもの満員電車の中で目を惹く男性がいた。
普通のサラリーマンだった。すっごく顔がいいわけでもなければ、すごく背が高いわけでもない。何も目立つとこはなかったのに自然と目が彼を追った。
「....っ！」
ずっと見つめていると彼の顔が赤くなってすっと下を向いてしまった。なんでだろうと思ったら後ろの男が彼に妙に密着していた。痴漢だ。男が男に痴漢してるとこなんて初めて見た。
いや。そんなこと言ってる場合じゃない。助けないと。
急いでそこまで行こうとして移動しようにも体が押されて動かない。助けてあげたいのに手が届かない。そんなもどかしい気持ちと葛藤しているともう自分が降りる駅がアナウンスで流れた。
最悪だ。助けてあげられなかった。人を押しのけて電車から降りると前にさっきの彼がいた。スーツを直して目元を擦っている。...泣いてるのかな...、
声をかけようか迷っていると彼が歩き出した。気になって後ろをついていくと通学路にあるビルに入っていった。
「...ここか。」
いつも同じ電車の同じ車両に乗っている彼をいつか助けたいと俺も毎日同じ電車の同じ時間の同じ車両に乗る。
それで現在に至る。
今考えたら俺なんもできてないやんけッ！一年も見てるだけやん！
明日こそは絶対助けるぞ。声かけるぞ！
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ゆう(プロフ) - irohaさん» ありがとうございます！続きも楽しんでいただけたら幸いです！ (2018年10月9日 23時) (
レス) id: cc6ad799f5 (このIDを非表示/違反報告)
iroha(プロフ) - Twitter、フォロー失礼します！ お話大好きです！ (2018年10月9日 18時) (レス) id: 985055bb27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年9月16日 2時
